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2010年1月16日(土) 40

長旅の話の続き。本を何冊か持っていったので紹介しておこう。
石田衣良(本名が石平さんなのは本当の話)の「40 翼 ふたたび」。
簡単なテーマを分かりやすい文章で書いてくれるので、時間をつぶすのには最適だと思って選んだ。
内容はカバーの裏表紙を引用すると「人生の半分が終わってしまった。それも、いいほうの半分が。会社を辞めて、投げやりにプロデュース業を始めた喜一・40歳の彼の元を訪れる、四十代の依頼人たち。凋落したIT企業社長、やりての銀行マン、引きこもり…。生きることの困難とその先にある希望を見つめて、著者が初めて同世代を描いた感動長編。」
そんなものを見ずになんとなく読みだした。
最初の飛行機でほとんど読んでしまったのだが。
「40歳になる・今年。」という事実を、ほとんどこの本を読んではじめて実感した。

2010年2月4日(木) EXPO‘70

人の心をとらえて離さないものがあるとしたら、僕には1970年の大阪万博かもしれない。そのタイミングにはこの世に存在すらしていなかった事実を踏まえてなお、僕にはその熱狂の体温がすぐそこに感じられてならない。その事実に強烈に拍車をかけた2冊の本がある。1冊は蓮見圭一の「水曜の朝、午前三時」娘のために残された4巻のテープに語られた母の激動の人生を辿りながら、大阪万博が開かれたその時代のモノクロとカラーの入り混じったような微妙な空気感を伝えてくれる一冊。もう一冊は都築響一編集によるアスペクトから刊行された「Instant FUTURE大阪万博、あるいは1970年の白日夢」この本を最初に見つけてから手に入れるまで結構時間がかかった。「会期中の迷子4万8139人」「会期中出産1名」と、ほぼそんな感じの注釈のみが語る全編カラー写真で構成された断片的な記録。
今年は40周年記念事業が開かれて太陽の塔の内部がきれいになって公開されるとか。しばらく熱狂は続くであろう。