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2010年2月4日(木) EXPO‘70

人の心をとらえて離さないものがあるとしたら、僕には1970年の大阪万博かもしれない。そのタイミングにはこの世に存在すらしていなかった事実を踏まえてなお、僕にはその熱狂の体温がすぐそこに感じられてならない。その事実に強烈に拍車をかけた2冊の本がある。1冊は蓮見圭一の「水曜の朝、午前三時」娘のために残された4巻のテープに語られた母の激動の人生を辿りながら、大阪万博が開かれたその時代のモノクロとカラーの入り混じったような微妙な空気感を伝えてくれる一冊。もう一冊は都築響一編集によるアスペクトから刊行された「Instant FUTURE大阪万博、あるいは1970年の白日夢」この本を最初に見つけてから手に入れるまで結構時間がかかった。「会期中の迷子4万8139人」「会期中出産1名」と、ほぼそんな感じの注釈のみが語る全編カラー写真で構成された断片的な記録。
今年は40周年記念事業が開かれて太陽の塔の内部がきれいになって公開されるとか。しばらく熱狂は続くであろう。

2010年2月8日(月) リスペクト サムクック

僕の音楽のルーツがどこにあるのかなんてもう忘れてしまった。強烈な印象だったアーチストや一時期だけ大ファンのミュージシャンを外してしまうと行き着くところは、僕の場合サムクックなのである。
映画「クロスロード」でスティーブ・ヴァイとライ・クーダーがギターバトルを繰り広げるたびにTVの前の僕は主人公ユジーン気分でメチャうまギタリストだった。ジャニスジョップリンがウッドストックでコズミックブルースをうたってジミヘンがギターに火をつけた時も左ききでもないのにギターをさかさまに持って、サイケで LOVE & PEACE の時代に僕はいたのだ。ビートルズをエアチェックする為に学校を1週間早退したこともあった。過ぎ去ることはあっても忘れることのない数々のミュージシャンとの出会いの中でもそれは全く違う色の体験だったのかも知れない。サムは撃たれてもう死んでしまったが、彼の歌声がずっと僕の心の中にある。そして歌うのだ 「Bring It On Home To Me」 と。
One Night Stand! Sam Cooke Live at the Harlem Square Club というアルバムがある。是非良かったらお手元に1枚いかがでしょう。サムのいた時代に行ってみませんか?