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2010年5月7日(金)  沖縄よっつ:その3 やちむんと琉球ガラス

壺屋焼きとよばれる沖縄のやきものを地元の人はやちむんという。やちむんの良さはそのとらわれない巾の広さ、懐の深さにあるといえる。伝統的な文様や色づかいに乗っ取ったものや、シーサーの置物に代表される形式を守り続けるものもまたやちむんだが、ナイチャーと呼ばれる本土の陶工たちや志のある作り手たちをたくさん受け入れてきたのも事実である。そのおかげかしれないが、やちむんは様々に変化をとげることになる。同様に琉球ガラスももとは米兵の残していくコーラの瓶などを再び焼成して作るため気泡の入った独特な趣と原色の色合いが特徴のガラスであった。現在県内に16か所程度ある工房では様々な色合いや技法を使った宙吹きガラスが作られている。シーサーを玄関においてやちむんの茶碗でご飯を食べて琉球ガラスで晩酌をする。沖縄へのあこがれはいつもこうやって物に置き換えられていくが、満たされずすり替えられて行く。画像は現在の陶工の一人、ナイチャーであったが移住をして製作をつづけてるという涌井さんのカップ。伝統的な文様の一部を中央に大きくあしらったデザイン、色がいいと思う。

2010年5月7日(金) 沖縄よっつ:その4 泡盛

南北に長い沖縄本島にも海に囲まれた離島のあちらこちらにも朝陽や夕陽の名所がある。島の東側が朝陽の名所で西側が夕陽の名所になる。海岸線に沈む夕陽を見れば誰でも心が安らぐ。安らぐと次は酒でも飲みたくなるものである。沖縄にはオリオンビールという素晴らしいビールがあるが、あったかい地方特有の少しばかり薄いと感じるビールである。飲み応えよりのど越しにその魅力があるように思う。その後はきっと泡盛で酒盛りだ。沖縄の面積は47都道府県で44位の狭さではあるがその中になんと49もの酒蔵がある。蒸したタイ米に黒麹をふりかけて米麹を作る、そこに泡盛酵母を配合し発酵させたあと蒸留して泡盛の原酒を作るのである。それを甕に入れて熟成させるのである。画像は先日訪れた久米島の米島酒造の酒蔵である。現在ではほとんどの酒蔵が機械化されているというが、ここ米島酒造では今も手作業をやめない。蔵人は楽しそうに話す。「甕にもいろいろあって自分のお気に入りの甕がある」と、その甕がいい泡盛を作るという。蒸留後の原酒をおのおのの甕に分けて、その熟成の違いや味や雑味を見極めてブレンドしていく気の遠くなるような作業だ。おいしい泡盛を飲んで、楽しい時間をいつまでも過ごしていたいとこれからもずっとずっと思うのである。泡盛にはいろんないい成分が含まれているというが、ストレスなく生きることが人生の一番いい成分であると大体の人はもうわかっていると思う。