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2010年8月2日(月) おかえりシャフラノフ

「おかえりシャフラノフ」とまず言おう。澤野工房が主催する夏の恒例行事「通天閣JAZZ LIVE」が今年も7月31日通天閣3Fのイベントホールで開催され、久々にシャフラノフに会いに行ってきた。ウラジミール・シャフラノフは現在ヘルシンキで活躍するピアニストであるが、以前ブログでもとりあげたようにスタジオを3月に焼失し同時に彼の愛器スタンウェイや彼が手がけた楽譜やCDすべてが消えてしまった。あれから4ヵ月シャフラノフは大阪に帰って来た。2007年になんばHatchで行われたアトリエ澤野コンサートの時とは全く違ってシャフラノフが目の前3m先でピアノを弾いている、そしてその彫りの深い顔でタイミングを見計らっている先のDs東原力也に合図を送る。Bの三原脩は全く動ぜずといった感じである。急編成であるがゆえスタンダードが並んだセットリストではあったが、当日初めて出会ってリハーサルをやってそれでもうLIVEが出来てしまうんだからミュージシャンはすごいもんだ。3曲目「I‘ll Close My Eyes」1月に出したCDのタイトル曲。「Billy Reid」の名曲ではあるが今宵のこれもまた名演だと言っていい。東原力哉は言わずと知れたじゃじゃ馬みたいなドラマーではあるが今夜はシャフラノフに気を使っていたんだと思う、あれでも・・・。ありがとうシャフラノフ。今夜は素晴らしい夜になりました。そしてお疲れ様でした澤野様。

2010年8月16日(月) 豊助饅頭

饅頭が好きだ。「なほとか通信」は筆者の独断と偏見で好きなことを好きなように書くためのブログであるが、食べるものに関してはあんまり書かないことにしている、でももう我慢が出来なくなって書く。饅頭が好きだ。子供の頃から食べている味が大人になっても味覚を左右することがあるだろう。まさしくこのタイトルの「豊助饅頭」がそうである。これを食って大きくなったわけではないが、お盆のシーズンになると誰彼ともなく饅頭を手に下げて墓参りにやってくる。久しぶりに会う親戚のおっちゃんと汗かきながら遊んで、冷たい麦茶とともにその饅頭を食べるのだ。その味は子供の僕らには頼りないぐらいあっさりしていた。髭が生え大人になった頃にはそれは甘ったるくて仕方なかった。でも今この歳になってこの饅頭が本当にうまく感じるようになって来たのだ。明治15年創業である「豊助饅頭」がなぜ平成の世までこのような神戸の山奥淡河(おうごと読む)で愛され続けてきたかはきっと、それを食べてみないとわからないと思う。しかも人生とともに食べ続けてさらにおいしさを増していくような饅頭なんてこの世にそんなにないのだ。だから忘れられない味になる。
お店は何度か改装や移転を繰り返しているがその雰囲気はかわらずとどめている。何にもすることがなく山奥に行きたい時があれば行っていただきたい。ふーんおいしんやんぐらいに感じると思う。それぐらいがちょうどいいのである。でも本当に好きなのは丁稚羊羹だ。その話は次の機会に・・