なほとか通信 2016 Boss Blog

第6回 おとな な 京都

大阪に住んでいる者にとって京都のことはそれなりに遠い隣人のようなものであって、めったに会うことのない親戚の家に行くぐらいの敷居の高さが残るのである。だからか京都に遊びに行こうとはならない。たまたま京都に何かの催し物があるとか誰かに呼ばれでもしない限り出向くことはまずない。それでも京都に来ることがあって歩いているとふと見つけたお店で京都らしいものを買ってしまうのである。それこそ観光客となんら変わらないのである。

西陣織の端切れを使った小物入れや巾着を作っているお店を辻に見つける。卸という言葉が頭にこびりついて誰の分のお土産かわからないほど買ってしまうことになる。
ショーケースに形のいいカップを見つけたので入ってみると輪島の塗氏のものだというので京都っぽいわけもないがペアで購入する。

昔ながらの雰囲気のする荒物屋さんがあったので中に入ってみると、妙に商売上手のおばあちゃんがいたので天然素材のヤシで出来たバスマットを包んでもらう。

京町屋を改装したような今風の店に入って京風のおばんざいをいただく。 つまりどこまで行っても僕らは観光客となんら変わらないのである。
だから僕らは京都をよく知らない。
おとな な 京都というやつを。

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