なほとか通信 2017 Boss Blog

第15回 山谷佑介個展 Into the Light

MARC JACOBS JAPAN K.Kが運営するBOOKMARK原宿で開催されている, 山谷佑介個展「Into the Light」(2017.07.14~07.18 12:00~19:00)

会場のBOOKMARK原宿は表参道を少し入ったビルの地下にあるが1Fにはファッション雑誌や写真集などを扱う同社のSHOPがある。原宿の裏通り平日の夕方は小雨にも関わらずそれなりに人通りがある。

山谷佑介をフォトグラファーとして捉える時、最初に言わなければいけないのは既出の写真集の圧倒的な評価の高さである。発行部数の少なさもあるのか滅多に市場に出回ることもないので自ずと評価は評価を生むのである。また写真以外での幅広い活躍もあってアーティスト山谷佑介の名声はとどまるところを知らない。御幣なく言うと見事なまでのセルフプロデュース力だと思う。

会場に入ると山谷氏本人が客対応をしているがムロツヨシばりの軽い笑顔の中に見え隠れするアーティストらしいやんちゃな素顔が見えている。

今回の個展のテーマは家。(以下個展紹介文より)
-人間の営みとは切り離すことが出来ない「家」は不可視光線に反応する赤外線カメラを使っても もちろん覗くことはできない。
覗き込むことの出来ない諦めや苛立ちとそれでもなお人間の営みを覗いてみたいという欲求は「見ること」と「見られること」を強く意識させる。
他者から見られるということに恐れを抱く半面 日々多くの情報を目にしている私たちは より多くのものを見たい・知りたいという欲求が増してくる矛盾を抱えている。(中略)
「自分と世界との隔たりを感じさせながらも、妙な居心地の良さを感じさせた。」-
と山谷は語る。

写真の本質を言い得ているかのようで面白い。見たい・知りたいという欲求無きにして写真は語ることが出来ない、そしてそれを残したいと思うその欲求が我の強い写真集を生んでいくのだ。
注目を浴びつづける写真家の新たな表現が「妙な居心地の良さ」を与えてくれるかどうかは山谷氏への傾倒の深さによるかのようである。
写真集は¥5000+TAXで現在発売中。展示は7月18日まで。

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