7月12日(火) いくたま夏祭2011
いくたま夏祭が今年も天王寺区の生国魂神社で行われている。7月12日に本宮であるが、11日の宵宮にはもうすでに祭りはかなりの高揚感につつまれている。
茅の輪がついた鳥居には見たことも無いような雲がかかり、より一層お祭りの雰囲気を盛り上げている。茅の輪とは藁などで作った輪っかで夏越しの祓いとして、無事に夏を越せるようお祈りするというもの、しかし人だかりと交通規制で通ることもできない。

鳥居と茅の輪と雲

神輿の曳き回し
いくたま祭りの特徴は何と言っても勇壮に神輿を担ぐところにある。タイヤを付けて転がしたりはしない。男達の怒号にも聞こえる掛け声とともに激しく揺さぶられる神輿の鈍く光る飾りに惑わされながら、ほろ酔いの男たちは2基の神輿を同じ動き、同じ間合いで担いでみせる、お囃子がそれを激しく鼓舞する。
クライマックスはちょっとしたジャニーズ張りのテープが空に放たれ、神輿方と書かれた大きな幕が空に舞うのである。女達はそんな男どもの詰め所におしかけては、あでやかに美しさをアピールする。

祭りのクライマックス

獅子舞

獅子舞につづいて
神輿に先駆けて行われた子供達によるこども獅士は、子供達がしっかりしていて実に良いのである。 先頭に獅子舞が2頭、その衣装を持つものが二人、その後に横笛、太鼓の楽器隊が続き、その後を踊りながら子供たちが付いて行く、そんな連が3つほど大きな輪になって境内を廻り始める、子供たちの頬や体には生国魂の印が朱色に押されている。フラッシュとカメラの群れがそれを追う。

楽器隊

生国魂印

ちび達
ようやく日も暮れてくると、一気に人手が増えてくる。参道に陣をとった夜店はここぞとばかりに威勢よく掛け声をかけ始める。いくたまの夜店はどこか他と違う味わいがある。
金魚すくいやスマートボールに興じ、イカ焼きやたこ焼きを食べるのは夏祭りの定番であるが、ここではそのほかに大阪名物・芭蕉せんべいなるものを売っている。
大阪で一番ええ男を自称で名乗るおっさんが、手と棒を使って上手に伸ばす生地は、どんどん伸びていくのである。中身が何であるかは買わなかったのでわからなかったのだが、不思議なものだ、初めて見た。

金魚すくい

大阪名物?芭蕉せんべい
そして、もう一つ初めて見たものは、カニすくいだ。夜店でカニをすくっているところを僕は初めて見た。しかもそこにいたカニすくい名人のお嬢さんはもう、20匹以上をボールに入れて、どんどんボールから這い出して逃げて行くのもおかまいなしだ。
名人ともなれば、細かいことはどうでもいい。通りがかりのみんなに称賛を浴びている。でも持って帰れるのは1匹だけなのも、大人の世界の話だ。名人はそんなことはすでに承知で遊んでいるだけなのだ。

スマートボール

かにすくい
そして最後に度肝を抜かされたのは、子供のころ以来久々に見るひよこつりだ。囲い一杯に動きまわるひよ子をうどんのようなもので吊るのだ。吊れば持って帰れる。
うれしいことにひよ子の入っていた箱にはメスと書いてある。僕らの子供の頃は吊って持って帰ると、半年もすればとさかが生えてコケコッコーと泣き始める。ほとんどオスだった。
今でもひよこの雌雄はよくわからないと言うが、箱に書いてあるだけでちょっと安心する。もしかしてわざわざ箱書きを見せるように置いてあるのかも知れないが、若いカップルがさも当たり前のようにひよ子をビニール袋に入れて持って帰っていく。

ひよこつり

夜店の活況
さてそうこうしているうちに夜もどんどん更けていくが、神社の裏庭ではまだ空が明るい頃から続いているカラオケ大会が佳境にさしかかっていた。チューリップの心の旅を熱唱したおねえさんが91点を獲得して、首位に並んだ。その先延長戦が行われるとということだけ耳にして神社を出てきた。いくたま祭りが終わると、本当の夏が来る。天神祭が待ち遠しい。

カラオケ大会

夜は更ける