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電気代を下げる知恵

山田浩幸著「エアコンのいらない家」を読み解く
自然のチカラで快適な住まいをつくる仕組み- 株式会社エクスナレッジ発行

建築設備の設計をなさっておられる山田浩幸さんによるエアコンのいらない家への取り組みを紹介されている本を取り上げて、電気代を下げる知恵をいただきました。(文章中山田さんの文章を元に表現を変えて書いています。)
エアコンをなるべく使いたくないと希望される方が増えています。それは機械の力で半ば強制的に作り出されたエアコンの風に体調を崩される方が多いのと、節電への認識の広まりによる所が多いのです。ここではエアコンをなるべく使わない。そんな家について検証して行きたいと思います。

図

日射しを調節する

夏の日射しを遮り、冬の日射しを取り込めば室内の温度調節を容易にすることが出来ます。家の南側スペースに日射しが取り込みやすい大きな窓を設けます。そうすれば冬の日射しを室内の奥まで取り込むことが出来ます。逆に夏の日射しをカットする為に軒を出し庇を設けることで調節します。さらに8~9月の日射しはよしずやすだれを併用することでより効果的になります。東西の窓はなるべく南側に設置しますが、庇を設けても角度のゆるい東西の日射しは全く防げないので、そういう場合はオーニングなどを利用します。

ポイント

庇の寸法=開口面の高さ×0.3
高さ2mの開口面を設けたいなら60cmの庇を設ければ十分です。

オーニング

オーニングの設置例

温度差で空気を動かす 通風と換気

温められた空気は膨張して軽くなるので自然と上昇する性質があります。また温度の高い空気が上昇するとそこに温度の低い空気が流れ込んで来ます。この一連の動きを利用して住居の下から上へと建物の北から南へと風の流れを作ります。そうすることで住居内の空気を動かし貯まっている室内の湿気も一緒に排出されます。

目からウロコ

● ミスナールの法則: 気温が10℃以上なら、湿度が上昇するほど熱く感じる
気温が10℃以下なら、湿度が上昇するほど寒く感じる
● リンケの体感温度: 風速1m/秒につき体感温度は1℃下がる

お気付きかもしれませんが、これらのことはすべて昔ながらの家によく見られる構造です。エアコンや電気の無かった時代の家というものは実に理にかなった作りだったということが証明されます。家で出来る節電を考える前に本当にその家が節電できる家なのかをもう一度検証する必要があるのかもしれません。(常深)

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