なほとか通信 2016 Boss Blog

第11回 神は局部に宿る 都築響一presentsエロトピア・ジャパン

2010年に広島市現代美術館で開催された特別展「HEAVEN 都築響一と巡る社会の窓から見たニッポン」に行かれたならば、「日本もとうとうここまで来たか!」と思ったに違いない。言いかえるなら「日本ってこんなところだったのか!」と思い知ったことだろう。
現代美術というステージの上にサブカルチャーをでっかく押し上げた立役者になった都築の広大ともいえるフィールドワークの中の膨大なコレクションを一堂に会したインスタレーションは訪れるものたちを膨大な情報量で翻弄し圧倒的なキャラクターで脳の中枢をくらくらさせたに違いない。
あれから6年、その展示のほんの一部に新たな領域を加えてこの展覧会は延長再延長を繰り返して渋谷アツコ・バヌーにて開催されている。

冒頭に都築はこう書いている。
「日本に訪れる外国人観光客は、氾濫する性的イメージにいきなり圧倒される。通りにはみ出す風俗看板に、路傍でチラシを配るメイド少女に。DVD屋のすだれの奥に、コンビニの成人コーナーにあふれる匂い立つセックス。そしてハイウェイ沿いに建つラブホテルの群・・・日出づる国のブラインドサイドに響く、その歌が君には聞こえるだろうか。」

SNSで情報がリアルタイムに発信される時代にあって、新しくて面白いものに敏感なのは若い女性たちだ。そして日本のクールスポットと紹介されて以来外国人観光客もたくさん訪れている。若い女性たちと外国人観光客であふれかえる渋谷クロスロードビルの5Fはもしかしたらもはや違う国じゃないのだろうか思ってしまうのである。

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