なほとか通信 2017 Boss Blog

第1回 大川家具 新春展 ~ 新年の初めに

あけましておめでとうございます。
本年も なほとか通信2017 をどうぞよろしくお願いします。

新年を無事に迎えてしまうとあまりにもうららかな正月の日差しについ気を許してしまいがちになる。それでも今年もそろそろ活動しなければということで、新年早々に開催されている大川家具工業会主催の大川家具 新春展に行ってきた。

博多駅から会場の最寄り駅までを今年は九州新幹線で行こうと思って張り切って博多駅まで来たのはいいが、筑後船小屋駅行きのJR九州新幹線つばめ号はつい今しがた出発したばかりで、次の新幹線まではちょうど1時間ある。今さら西鉄福岡駅に向かうのもなんだかなと思ってこのまま35分ぐらい待ってJR鹿児島本線の準快速に乗ることにした。新幹線なら24分で行くところを準快速で51分、待ち時間を考えると到着時間は一緒かもしれない。困ったものだ。

のんびりと走る準快速に乗り筑後船小屋駅で降りると目の前に新幹線の筑後船小屋駅が並んで建っている。びっくりするほど立派な駅舎の前にこれまたびっくりするほどの広大な広場がひろがっている。どうやらこの辺りは広域公園の一部になっていて災害時の避難拠点にでもなるのだろうか?いずれにせよ馬鹿でかい。会場に向かう途中乗り込んだタクシーの運転手さんに教えてもらったのだが、駅の近くに最近新設された大型プールがあり夏場はたくさんの人でにぎわう、その隣にはソフトバンクホークスの2軍の試合を行う野球場もあって春先からはこちらもすごい人手になるという。そのためにこの辺りは大渋滞で困るのだと言う運転手さんがなんだか得意そうに見える。
一度は九州新幹線に乗ってみたいと思う夢は砕け散ったが、このルートで来た意味もあるのかと少し思う。ちなみに駅の名前の船小屋は水郷の多いこの地にちなんで、河川工事用の船を格納する小屋がたくさん設置されていたことに由来するという。

お昼前に会場に着くともうすっかりにぎわっていて、新春気分を盛り上げる樽酒がふるまわれている。慣れ知った顔の家具生産者と新作を求めてやってきたバイヤーが互いに新年のあいさつを交わしながらなごやかなムードである。
わざわざ新年にここにやってきたのには少しだけ理由がある。最近ご無沙汰にしていたことに変わりないが、長い間お世話になっていた家具屋さんが昨年廃業されたということで大川になんとなく遠いものになってしまった。それでもこの地に縁を持っておきたいという気持ちが僕の背中を押した。家具生産地としては他に負けることのない抜群の生産力と競争力が大川家具にはある。そして新しいデザイナーも育っている。僕はここでもう一度家具を作りたいと思っている。

若干微熱気味でマスクがちな1日だったがせっかく食事券もいただいたので少し並んでカツカレーセットをいただいた。待っている間厨房の奥を見るといかにも年代物のコンロがまだ使われていてなんとなく懐かしい時代の匂いがした。小学校の給食室のような淡い記憶。カレーはおいしかったがどうやら味覚がそろそろ怪しくなってきている。

一通り会場を回ってあらかじめチェックしておいた出展者を廻り、新しくチェックした会社には名刺を置いてタイミングがあえばお話が出来た。ここで新作の写真の掲載はしないが新しいアイデアも少なからず生まれている。大川の家具に大きな変化やここ最近の特有の流れがあるようには見受けられない。今まで通り素材主義で機能優先の流れは変わっていないと思う。そこには豪華な婚礼家具もあったのだけれど。それと台湾あたりを中心とするバイヤーの数が年々増えているのだろう。使い勝手がよく、軽くて、丈夫な日本の家具はアジアでも人気があり、台北市内やシンガポールにも取扱いショップが見られる。何を作りたいかはまだ何も頭の中にもこの世のどこにも生まれていないのだけれど、いずれ時間とタイミングがあえば僕はここ大川で動き出したいと思っている。

2017年という年がどんな年になるかはわからないが動くにも動かないにもかかわらず深い考えの上に打ち立てたいと思っている。新年の初めになんとなくそう思っている。

大川の隣町 柳川の春の風物詩、さげもん。

女の子が生まれた最初の年の初節句のお祝いに、子供の無事を願ってひな人形と共に吊るされる。さげもんは柳川まりと布細工ものを交互に7列7個の49個を吊るしたもの。女性としての美しさ、強さ、誇りなどを身に着けてほしいと願う親心が込められている。春まではもう少し。

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