なほとか通信 2017 Boss Blog

第5回 大橋仁トーク&スライドショー in 金沢

金沢21世紀美術館を出るとすぐのところに、旧県庁舎の建物を保存した「しいのき迎賓館」がある。今日はここの3FセミナールームAで「大橋仁トーク&スライドショー」が開催される。金沢大学国際機構の主催によるトークショーに大橋仁を選んだところにまず拍手を送ろうと思うのだが、ただし参加資格を明記して身分証の提出を求めるトークショーもまた珍しい。「いっそのこと写真集全部持っていってやろう」かというばかばかしい思い付きがここから生まれたのだった。

トークショーは既刊となる3冊の写真集を掘り込んでいくという形で進められたが、冒頭の「そこにすわろうとおもう」のスライドショーとメイキングビデオが余りにもショッキングすぎたのか、いくつかの手前味噌なテーマ構成と手際の悪い段取りに和やかではあったが盛り上がりのスピードが上がらない。

ただ大橋仁が熱かった。写真家は作品のことをしゃべらない。今はそんな時代ではない。それを証明するような熱い語りであった。大橋さんは語った方がいいと思う。そして伝える力がある。よく考えられた洗練された言葉ではなく要するにモノを作り出す力なのだと思ってしまう。

トークショーの中でいくつかの啓示的な言葉が語られる。

「最終的にはすべてを自分で考えなくてはならない」

「大事なことはその場所を去らなくては分からない」

そんなことをさらっと言いのける大橋仁にはある意味カリスマ性がある。

トークショーの参加者に書いてもらった似顔絵を持ってうれしそうな大橋さん。

さて明日は久しぶりに大阪に帰ろう。

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