なほとか通信 2017 Boss Blog

第11回 写真家が見つめた沖縄 1972-2017

石川竜一がディレクターを務めたことで話題になった写真展に行ってきた。沖縄県立博物館・美術館で開催されている「写真家が見つめた沖縄 1972-2017」では時代を追うように20数名の作家の作品が数点ずつまとめられて展示がされている。石内都 森山大道 平敷兼七 石川真生 東松照明 野村恵子など世界的にも知名度の高い写真家や沖縄とかかわりの深い作家たちの写真展が沖縄本土復帰45年の今年、特別展として開催されている。
掲げられた年表を見ると沖縄の本土復帰後、実にたくさんの写真家が沖縄に入って沖縄の写真を発表している。また在沖の写真家たちもありのままの沖縄を伝えようとして来た。
開催のあいさつ文がいささか沖縄の歴史的特異性に焦点を当てすぎたせいもあるのかもしれないが、どことなく展示の方向性が曖昧になっている。本土復帰45年という区切りに引っ張られて石川竜一の想いのようなものが薄れてしまっているようにも感じる。沖縄の多様性がいい意味で曖昧な表現になっているのか。多様性と言う名の曖昧。

市民ギャラリーでは「写真家が見た沖縄 高校生とつくる2017沖縄」 写真展が同時に開催されているが、最近の若い人の写真の表現のレベルは高い。

石川竜一のメッセージはこうだ。

戦後、経済の発展と沖縄の観光地化との関係によって、沖縄を捉える写真のイメージは強く固定され続けてきた。海や自然といった観光的イメージから、文化を示すような古い町並みや島々、老人たちのイメージ、それらの対局にある現代のイメージとしての基地や社会問題のイメージまで、社会を中心としたイメージは、社会的価値を持っているが故に消費されやすく、それが沖縄のイメージとなっていった(中略)
復帰後、沖縄においても、これまでに見られた社会的立場を中心とした写真に加えて、より個人的な表現としての写真活動が活性化してきた。その結果、写真表現は方法や形式の呪縛から解放され、それぞれが互いにより深い意味を持つものとして存在することができている。写真はもっと自由になれるし、その方がより大切なものが見えてくると信じたい。
(公式ホームページより)
http://www.nhk.or.jp/okinawa/fukki45/#message

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