なほとか通信 2017 Boss Blog

第13回 N・S・ハルシャ展 - チャーミングな旅 - 森美術館

森美術館で新しく始まった展覧会は、「N・S・ハルシャ展-チャーミングな旅」。

N・Sハルシャについて、ここに来るまでほとんど何の情報も持ち合わせなかったので、今ふしぎな感じで作品を見ている。膨大な作品数(作品数は約20年間の代表作75点程)がこういう形で集められることはある意味奇跡に近いのではないかと思ってしまう。現在もインドの一地域・南インド古都マイスールに住み制作活動を続けているハルシャの才能を早くから見出し作品を保護しなければこれほどの点数を一堂に集められることは出来ないだろうなあと思うのである。

複数の人を整然と並べながら一人ずつ描き分ける構図や対照的で自由奔放な色づかい。そのいくつかはインドのごく当たり前の生活の風景を示しているのかそれとももっと啓示的なメッセージを持っているのかは判然としないがその表情にも格好にもユーモアを感じさせる。

鏡を使ったインスタレーションであるが、没入感を感じるまでにはまず自分はインド人になりきらなければならない。顔のホリは深くくぼんだ眼の中の瞳は黒くなくてはならない。そうでないとインドの駅で迷子になった日本人のままである。のっぺりとした目の細い日本人。

膨大なミシン(実際には193台)を使った大規模な展示。国連加盟国の旗が並んでいる。

暗闇に立つ光の柱。

全長24mにも及ぶ一筆書きの書にも見える作品。実際には龍のようなうろこがありその内部にはたくさんの星の姿が見える。「ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ」 と題された作品。

お腹いっぱいにならないのは少しばかりインドと言う土地のせいかもしれないが、見応えはある。お腹はすく。チャーミングな旅が出来るかどうかは自分次第と言うことだろうか?一般¥1800なら安い方だと思う。6月11日まで。

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