なほとか通信 2017 Boss Blog

第14回 アルベルト ジャコメッティ展 国立新美術館開館10周年記念

ジャコメッティ展に行った人のSNSをみると大体こんな画像とともに感想が書かれている。写真撮影がOKなのはこのチェース・マンハッタン銀行から依頼を受けて制作された3点の大型の彫刻のみなのである。実際には飾られることが無かったので現在はここで展示されている。
もう迷うことなく来ることが出来るようになった国立新美術館へは東京メトロ千代田線 乃木坂駅と直結しているので大変便利。

国内で開催される個展としては約11年ぶりのジャコメッティ展はパリ、チューリッヒと並ぶ世界3大ジャコメッティコレクションと言われるマグリット&エメ・マーグ財団美術館が保有する作品を中心に、彫刻50点・絵画5点・素描と版画80点の135点にのぼる。

ジャコメッティの歩んだ軌跡が作品と説明パネルで詳細に語られ、ほとんどの作品のモデルになった弟のディエゴや妻のアネットに焦点をあてた展示、親交の深かった日本人哲学者矢内原伊作の記述。アトリエを構えた当時のパリの様子-実際のパリの地図に当時アトリエを構えていた作家やギャラリーなどがポインティングされたものロダン・ブールデル・ザッキンなど-などが展示されていて実に面白い。

アフリカ彫刻の影響やキュビズムに傾倒していく時代の洗礼、戦争の影など、ジャコメッティが生きた時代とそれに伴って変遷していく作品を紹介してあって生き生きとした描写がなされている。

ジャコメッティが生きた時代のパリにはもう行けないのでジャコメッティが生きていたパリにきっと行ってみたいとさらに思う。そしてパリとチューリッヒにある残りの美術館に行って作品を見てみたいと思うのである。ジャコメッティ展は国立新美術館で2017年9月4日(月)まで開催中。

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