なほとか通信 2020 Boss Blog

第2回 陳偉江と冬の東京

香港の写真家 陳偉江(Chan Wai Kwong)が年明けから東京に来ている。「寒いねー」と言いながら東京の街を撮り続けている。年末にHIJU GALLERYで開催したグループ展に新しくカラープリントを提供してくれたので、そのお礼とプリントの返却などを兼ねて東京まで会いに来た。それと前回の東京滞在中に撮影したものをまとめた新しい写真集「2019 東京某日」(読み方があっていれば)も持ってくるというので新年からお年玉をもらったような気分である。

待ち合わせの場所は寿司が食べたいというチャンの希望で築地のすしざんまい本店となったが、いつもお世話になっている柿沼夫妻とチャンと彼に同行して彼のシネマを制作中の香港出身の映像クリエーターのお二人も交えての比較的大人数の会食となった。

寿司の話はしなかったがどうやらチャンは貝が好きらしい。赤貝 鳥貝、中トロも好きだ。生ものをあまり食べない中華圏の人々は最初にスープを頼む、体を冷やすことを彼らは嫌うのである。この場合は味噌汁となる。
滞在している東京での様子。東京と大阪の違い。日本で撮影することと香港との違いなどいくつか質問をしてみた。どうやら東京滞在中のチャンは好きな時間に起きてほぼ毎日映像クリエーターの二人と合流しそれから東京のいろんな場所に向かうのだそうだが、今日は東京で初めて職質に合ったという。それもまたそうなのかと思った。大阪のほうが面白いと言うが、かわいい子は東京には一杯いるだろうというとそれには大賛成のようだった。
話は尽きない。新しく進めているプロジェクトはこの夏には形になるということだった。いくつか質問した中で彼が住む香港の様子を尋ねると、時にゆっくりと時に鬼気として立ち上がって激しく身振り手振りを交えて話してくれる。それがチャンである。自由に撮影ができない香港に彼は苛立っているようであり香港人同士が監視しあっている現状が全く理解できないようだった。カメラを向けることがすなわち人の生死にかかわるという事実にだ。

比較的元気そうだったが東京にいる時はあまり楽しそうという感じはしない。ただしそれは多分冬のせいだろう。短いパンツとシャツ一枚くらいの季節がちょうどいいらしい。また会う日を約束して私たちは別々の駅でわかれた。もうしばらくチャンは冬の東京にいる。

香港お土産をいただいた。いつものこれ!口の中の水分全部持ってかれるやつ。

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