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第22回写真「1_WALL」グランプリ受賞者個展 伊藤安鐘展「眼（まなこ）開きて尚、現（うつつ）を見ず」ガーディアン・ガーデン、2021.03.24

伊藤安鐘(アカネ)さんの展示を見に銀座のコンペティションギャラリー ガーディアン・ガーデンに行って来ました。

「展示に寄せて」の文章の冒頭に「幼い頃は、目を開けてもなお幻想が見えた。隣で寝ている父親の背中に当時好きだったキャンディの形を模したチーズが転がっていたり、頭上を十二支の動物たちがキラキラと揺らめき歩いていたりした。こんな話をしても母親にすら信じてもらえないだろうと思い、誰にも話さずにいたがその幻想はとても不安定で集中力をたえず働かせていないと消えてしまいそうなものだった。(絶対に覚えておこうと思っていたおかげで今こうして文章になっている。)」(後半略)とある。

幼い頃に覚えた幻想世界を少しづつ再生産していく手法は写真だけには拘らず、使える方法と機能は全て使う全方位型である。それは架空の物語のはずであるが、記憶という不安定な現実の中で再構築されていく過程でリアリティが曖昧なまま増しているのだろうが、それさえも見るものにはわからないのである。

伊藤安鐘さんは1996年岩手県生まれ。 武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。 「終(週)末ユートピア紀行」て、2020年 第22回写真「1_WALL」グランプリを受賞。今回はその受賞展示となる。

以下、ギャラリー情報です。