なほとか通信 vol.2128

片柳拓子個展「possession」IG Photo Gallery、2021.04.21

写真家 片柳拓子さんの個展を見に東銀座のIG Photo Galleryに行ってきました。オフィスビルの3階にあるギャラリーを訪ねると、奥にある事務所の明かりが消えていて、白色LEDスポットに照らされた大振りの作品たちが、主のいない無人のギャラリーをより不穏なものに変えているようでした。

静まり返った空間に時々エレベータが停止する音が聞こえているだけで、誰も降りてこないのが不思議なほどです。日常の中で、それも大都市の中に見出した奇妙なモノやかたち、そしてそれを含む空間について、作家は卓越した瞬発力で察知し、逃さないようにカメラを構えているのでしょう。日常的で普遍的なものばかりなのに、その瞬間のそのタイミングにみせる表情を、占拠し(発見し)所有し(撮影し)て持ち帰っては、様々な手法を用いて再生産して今ここに展示しています。

前にいただいたDMサイズの作品と、あの場所に展示してあった大型の作品と、そして今こうして作品集であるA4サイズと様々な大きさの作品を見ても、存在感は変わらないのだと改めて思い知りました。「possession」いいタイトルです。会期残りわずかですが是非とも見ていただきたい展示でお勧めです。
以下、ギャラリーからの情報です。

IG Photo Gallery企画展 片柳拓子展「possession」

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