なほとか通信 vol.2155

KYOTOGRAPHIE 2021-10 Yingfei Liang「Beneath the Scars」Sfera、2021.10.03。

KG+Award2020グランプリを受賞した中国のフォトグラファー リャン・インフェイ(梁莹菲)「傷痕の下」が、KYOTOGRAPHIE2021公式プログラムとして再展示されているので行ってきました。KG+2020では元 淳風小学校の教室の中に、天井吊りのプリントと床置きパネル、そして同じく床にそのまま置かれたモニター映像の3部構成でしたが、本展ではさらに洗練された展示になっていました。

特に印象的なのは個々の作品が半透明の衝立状の仕切りで区切られた展示方法でした。各々の写真にはそれぞれボイスメッセージが流れていて、衝立状の仕切りは音声が混じる事を避けて見る者が作品世界とより親密に対峙するという意味があるのでしょうが、半透明ということでここは密室ではないと言う配慮のようでもあります。

一見すると病室のようでもあり、何かに向き合っている人を第三者として見ているようでもあり、見る者の感覚にゆだねているように感じました。ぬぐい切れない当時の記憶や、現在も続く後遺症、被害者の声を聴き、その後の人生に真っすぐに向き合う作家のスタイルがよく表れた展示になっているように思います。

Sfera
  • 京都市東山区縄手通り新橋上ル 西側弁財天町17 スフェラ・ビル
  • 京阪「三条」駅または地下鉄東西線「三条京阪」2番出口から徒歩5分「祇園四条」駅9番出口から徒歩5分
  • 12:00–18:00 | 休:10/13、14

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