なほとか通信 vol.2159

KG+ 2021-22 Katsuo Hanzawa Hello Darkness、COCOTO、2021.10.09。

KG+でひときわ異彩を放っていたのが、バーアンドギャラリーココトで開催中の半沢克夫個展「ハローダークネス」でした。渋谷センター街でハロウィンに興じる若者たちの姿を、2015年から2019年まで捉えた作品群は時代性や場所性をうまく捉えたポートレートですが、登場する個々の人物(コスプレイヤー)の完成度が高く、その集団性も相まって狂気すら感じる内容になっています。

今回初めて訪れたココトの建物自体の環境が非常に素晴らしく、階層を重ねながら作品世界が深まっていくような演出が可能で、また階層を超えてレイヤーがけされたようなビジュアルと、モノトーンで無機質な内装と共に今回の展示に非常にあっているように思いました。KG以外でも、今後の展示に期待したい場所でした。

半沢克夫「ハローダークネス」
  • キュレーター半沢マリ
  • COCOTO/Bar&Gallery
  • 604-8015 京都市中京区鍋屋町209-2 
  • 9/17-10/17 14:00-20:00 無休
  • https://gallerycoco.jp/cocoto/
半沢克夫写真集「ハローダークネス」スーパーラボ、2021年。

「魅力ある被写体を探し、撮影の許可をとり、真正面からポートレートを撮影した。俺の中の本気スイッチが入ったのは、終電後のセンター街からだった。昼の疲れから化けの皮が剥がれ、日常に戻った怪物達と帰る気のない見物人達の虚実入り乱れてのカオス状態。その非日常感が期待以上のフォトジニックな世界を創っていて、その中に入り夢中になって写真を撮り続けた。徐々に撮影方法も見えてきて、2015年から2019年まで5年間夕方から早朝まで撮影を続行した。/ それにしても日本の若い人達の想像力や表現力には驚くばかりだ。圧倒的な若さのエネルギーに呆れかえって笑うしか無かった。若い人達の心の闇から飛び出してきたダークでポップな怪物達に、古い常識の中にどっぷり浸かり安住している大人達は戸惑い、驚き、批判の口実を探した。新しい文化が日本に入ってきた時に起こってきた島国日本の歴史的珍事。/それでも好奇心あふれる見物人が毎年増え続け、ピークに達して限界を超えたところでコロナ禍で消えた。/ハロウィン東京化の若き主役達の5年間の記録を是非楽しんでください。」出版社紹介文、一部抜粋。
w21.3 x h29.4 cm、64頁 + 別帳8頁、並製本(ミシン綴じ)、カラーオフセット印刷。

https://superlabo.com/products/hellodarkness-katsuohanzawa

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