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家を建てる、今回のテーマは「キッチンの配置」です。そもそもキッチンというスペースが家の中に配置されるようになったのは、江戸時代頃だと言われています。当時は土間に窯を設置して火を炊き、井戸から水を汲み上げ、日々の台所仕事を行っていました。現代とは比べ物にならない労力だったろうと思います。その後ガス・水道が普及し、火と水をコントロールできるようになったことが大きなきっかけとなり、現代のキッチンのかたちへと進化していくこととなります。今では様々な配置が可能になり選択肢も大きく広がっていますが、実際の暮らしの中で使いやすいキッチンの配置とはどんなものなのか、今回は女性目線で考えてみたいと思います。

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キッチンの配置

1戸建の場合特に、自由な配置が可能になるので単純に分類できるものではなくなってきていますが、ここでは大きく4つのタイプに分けてご紹介します。

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あなたのキッチンは?

01.オープンタイプ(壁向き型)の I 邸

I邸キッチン

≪家族構成≫ 夫31歳・妻30歳・子供0歳

今のキッチンについて
シンク・火元の後ろはスペースが広く、夫婦2人で作業することも可能。お皿を並べたりするスペースがないのが不便なので、ラックをカウンターかわりに設置している。

心配なこと、気になることは?
オープンなスペースなので、子供が動きまわりはじめると、料理中の油はねなどが心配。

次に引っ越すとしたらどんなキッチンがいい?
カウンターのあるセミオープンタイプ。料理をしていて振り返る必要がなく、スムーズに料理が出せそう。カウンターは使いやすいように、あまり背の高くないものがいい。

02.クローズタイプ(独立型)の T 邸

T邸キッチン

≪家族構成≫ 夫40歳・妻39歳

今のキッチンについて
キッチンにいるとリビングの様子が分からず孤立感を感じやすい。 1日の内キッチンで過ごす時間が長いので、花を生けたり写真を置いたりして、楽しい空間になるよう工夫している。

心配なこと、気になることは?
窓がないので臭いがこもるのが気になる。光が入らず閉塞感を感じる。

次に引っ越すとしたらどんなキッチンがいい?
自然光が差し込むセミオープンタイプ。リビングの様子が感じられ、料理をすぐに出せるのがいい。女性にとってキッチンは家の中で一番快適にしておきたい空間。

キッチンの配置は、その時代ごとのライフスタイルを反映しています。「男子厨房に入らず」と言われていた時代は、キッチンは家の中心からは離れた場所に設置され、クローズタイプや、ダイニングに背を向けた壁向き型が主流でした。この頃はキッチンというより台所や炊事場という言い方の方がしっくりとくるかもしれません。しかし最近では、リビング・ダイニングと一体感のあるアイランド型やセミオープンタイプに人気が集まっており、リビング・ダイニング同様家の中心的スペースとなってきています。キッチンは女性の城、女性が好きなように出来るスペースではあるけれど、家事は家族皆にしっかり手伝ってもらいたいという、現代女性の気持ちのあらわれなのかもしれません。

ただ現在ではライフスタイルが多様化していて、アイランド型やセミオープンタイプが人気を集めてはいても、それが全ての人の要求を満たす配置というわけではありません。それぞれの配置にそれぞれの特徴があり、それをメリットととらえるか、デメリットととらえるかはその人次第です。選択肢も昔と比べものにならないくらい多く、いざ自分のキッチンを考えるとなると悩んでしまうものだと思いますが、見た目や憧れだけに惑わされず、まずは自分がキッチンをどのように使いたいのかじっくり考えてみることが大切だと思います。(賀戸)

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配置をあれこれ考えてみる

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