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簡単?難解?玄関選び

家を建てる。今回は玄関です。建築家のみなさんの間でも意見が分かれるのが玄関です。玄関は家の顔だ!として出来るだけ大きくて、見た目、使い勝手にこだわる建築家もいれば、玄関は無くてもいい!そのままリビングとつながっていてもいいのだと言う方もいるようです。実際にこれから家を建てようという施主様の中にも意見は様々だと思います。限られたスペースの中で間取りを決めなければ行けない日本の住宅事情の中で、玄関をどうとらえるべきかは実は難解なのかもしれません。家にとって玄関がどういう役割を果たしているのかを、玄関の持っている様々な機能を紹介しながら追っていきたいと思います(常深)

玄関の役割その1 仕切るという機能 通すもの・遮るもの

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人・動物を通す

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風を通す
網戸(YKK)

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光を通す
ドアスリット(三協立山アルミ)

断熱

熱を遮る
断熱ドア(TOSTEM)

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冷気を遮る
風除室(TOSTEM)

玄関の役割としてまず挙げられるものは、家の入り口として中に「入れたいものは通し、入れたくないものは遮る」という機能があると思います。家族やお客様、地域の人達を迎え入れますが、強引な訪問販売や強盗の侵入は拒まなければなりません。また、目には見えないですが熱や風といった家にとって大事なものも、実は出入りしている場所なのです。ここでは通したいものの代表の風と遮りたいものの代表の犯罪について、少し詳しく見て行くことにしましょう。

風を通す~通気・換気を作る~

写真 良く風の入る家も、実は風が抜ける場所が無ければ通気が完全だとは言えません。家の中に風を通すことは熱気や寒気を外に逃がし温度調節が出来るだけでなく、湿気を逃して結露を防止し、高湿から来る不快感を和らげてくれます。家の間取りの中で、各部屋とつながりを持つように玄関や廊下を配置すれば、通気・換気機能を玄関に持たせることは可能なのです。風の通り道という意味合いから玄関を見てみることも大切だと言えるでしょう。

e-house様の間取りをお借りしています。
e-houseの「間取り」
http://www.e-house.co.jp/plan/101/214.html

犯罪を遮る~玄関まわりのいろいろな防犯グッズ

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ドアホン(Panasonic)玄関ドアは施錠したまま室内から来訪者を確認することができます。

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カードキー(TOSTEM)一度の操作で2つの鍵を施錠することができたり、自動で鍵がかけられたり様々なシステムが開発されています。

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人感センサ付ポーチ灯(KOIZUMI)人を感知するとあかりがつくようになっています。
玄関ドアスリット 室内の光がもれるので人の気配を感じさせることができます。

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番犬 防犯対策に有効かは個体差があります。

(常深・賀戸)

玄関の役割その2 コミュニケーションスペースという機能

次に玄関の役割としてコミュニケーションスペースという機能を挙げたいと思います。前述のように家族や親しい友人、子供のお友達といったお客様が出入りするほか、配達物を届けてくれる宅配便業者や、回覧板を回してくれるご近所さんとのちょっとしたやり取りの場所にもなります。円滑な人間関係を築く為にも、ある程度おもてなしのスペースとして玄関はとらえられるべきですし、同時にまたプライベート空間との遮断という意味も考えておかなくては、いざという時に恥ずかしい思いをすることもあるかも知れません。

玄関におけるコミュニケーションについて、こんな取り組みも行われています。

慶應義塾大学 環境情報学部の取り組みのご紹介。
「玄関における家族間コミュニケーション支援の提案」
http://www.interaction-ipsj.org/archives/paper2005/pdf2005/interactive/B230.pdf

(常深)

玄関リフォームにみる、最近の玄関の動向

ここでは最近のリフォームの事例を取りあげ、その内容から最近の玄関の動向を探ってみたいと思います。

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内装や収納を変えたり、照明を効果的に使用することで空間の印象はかわってきます。この事例のように、間取りは変えなくても、空間を広く見せる演出が最近のリフォームではよく見受けられます。(角元)

写真はホームプロ様よりおかりしています。
ホームプロ
http://www.homepro.co.jp/info/kirei/storage_entrance.php

玄関扉のトレンド紹介

今どんな玄関ドアが流行っているのかを探るため、大阪南港にあるLIXIL大阪総合ショールームに行ってきました。水まわりから、内装建材、外壁材など様々な商品がそろっています。目的の玄関ドアが展示してある3Fに上がると、まずはその数の多さに驚きました。いろいろなバリエーションのドアが展示してあり、各ドアで開け閉めの感覚、施錠の方法などを試してみることができます。

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今一番人気のドアは?
断熱性能のあるフォラードシリーズです。色柄のバリエーションが豊富です。
http://tostem.lixil.co.jp/lineup/door/genkan/g_door/forard/

人気の色柄は?
本物の木のような質感のノーザンパインです。本物に近づける為、木の節も表現しています。落ちついた色目の柿渋調も人気です。

スリットのデザインもいろいろありますね。
スリット無しのタイプもありますが、デザインのポイントとしてスリットが有るものを選ばれる方が多いです。最近は、四角の小窓が並んだタイプも人気です。

玄関ドアを選ぶポイントは何でしょう?
断熱性の有無など機能的なこともありますが、最終的には家の外観にあうデザインのものを選ぶということになります。ここにはいろいろなタイプを展示していますので、実際に見て、色や質感を確かめて頂ければと思います。

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大阪総合ショールーム

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ノーザンパイン

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玄関ドアコーナー

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柿渋調

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写真 引戸のいいところは、開き戸の様にドアを開閉するスペースが不要であることと、戸を開けたままにしておけるので車いすやベビーカーなどの出入りがスムーズになることです。荷物が多い時も、戸を押さえておく必要がありません。引戸というと昔の和風住宅というイメージを持つ人も多いと思いますが、最近では洋風住宅にもあうようなデザインがいろいろ出てきています。今は開き戸の家の方が多く見られますが、今後その使い勝手の良さから人気が高まってくるかもしれません。私自身ショールームに展示してあったモダンな片引き戸はとても新鮮に感じました。(賀戸)

家それぞれの玄関

土間玄関というトレンド

最近新築される家に土間玄関というものを採用されるケースが増えています。様々な形態はありますが、玄関扉の内側のスペースを大きくとる場合や、もしくは玄関ポーチを長くとって、そこに半外・半内の土間スペースを作るという設計です。お気に入りの車やバイクを停めておくための車庫によりデザイン性を持たせた場合や、ギャラリーや庭との一貫性を持たせた玄関デザインを採用している場合もあります。いずれも洗練された最新の玄関デザインを生んでいます。古き昔、日本家屋によく見られた土間という外でも中でもない作業性の良い空間が、現在の生活スタイルにうまく溶け込んでいるケースだと思います。すまいと様 ホームページに詳しい施工事例がたくさんあります。よければ訪れてみてください。

すまいと
http://www.sumaito.com/look/museum/ind_genkan.html

玄関レスという考え方 リビング玄関

集合住宅やマンションで玄関が確立していない場合は別として、最近では玄関なんて無くてもいいと言う考え方の建築家もいらっしゃいます。ログハウスの家を紹介しているTV番組を見ると、扉を開けて土足でLDKに入って行きますし、土足でなくても靴脱ぎ場がリビングから丸見えのような状態が普通であるような場面にも遭遇します。また積水ハウスなどの大手住宅メーカーのなかにもリビング玄関を採りいれたデザインが出てきています。(常深)

ログハウス BESS
http://www.bess.jp/?utm_source=overture&utm_medium=ppc&utm_term=ovlog
積水ハウス リビング玄関
http://www.sekisuihouse.com/style/wish/wis16.html

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風水から見た玄関の考え方

e-妊娠 子宝風水でみる玄関というサイトにお邪魔して子宝に恵まれる玄関という、ちょっと目線を変えて玄関について考えてみたいと思います。 (常深・賀戸)

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e-妊娠
http://www.ikujizubari.com/topics/2010/10_4.html

玄関で想うこと

玄関で毎日行われるであろう、行ってきます、行ってらっしゃい、ただいま、お帰り、こんにちは、また今度といったありふれた会話が聞こえて来るような人間関係を構築する上で、玄関がどんな役割を果たすのかは実際のところわかりません。でも我々が毎日生活して行く上で様々な事情に接し、様々な感情を抱いて帰ってくる家族を迎えてあげることの出来る玄関、送り出してあげられる玄関というスペースが、明るくて楽しいものであることに越したことはないと思います。今回は玄関の持っている様々な機能を探りながら、玄関が本来持っているスペースとしての役割を考えて来ました。様変わりする生活スタイルや環境変化に伴って、玄関はますます変化するであろうし進化していくと思います。いつの日か私達の目指すべき最適な玄関の形が見つかることを期待したいと思います。 (常深)

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