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震災が教えてくれたこと

写真 東日本大震災のあと、私達が当たり前であると思っていたことが、実はそうでは無かったということがたくさんありました。その一つが電気のことです。当たり前のようにスイッチを入れれば何でも出来てしまうそんな手軽さから、私達は手放しで危険な原子力を選択していたのかも知れません。原子力の安全神話が崩壊し、全国の原子力発電所54基すべてが停止している今、電力不足による経済活動への影響や真夏の電力需給など差し迫った問題が山積みです。私達には電気もまた限られた資源であるということを認識して、少なからず節電を意識して生活することが求められています。家を建てる。今回は家と電気の関係を見つめなおし、家で出来る節電、さらには節電する家を探って行きたいと思います。(写真:福島第一原発の事故の様子)(常深)

電気の実状

節電について考えてみる前に、まずは電気の実状について調べてみようと思います。

図①

※火力 : 石油・石炭・天然ガス・廃棄物などの燃料の反応熱エネルギー
※他社受電を、水力・火力・原子力に振り分けた場合、水力11% 火力41% 原子力48%。
(2010年時点、関西電力過去10年平均)

関西電力
http://www.kepco.co.jp/pressre/index.html

図②

図③

資源エネルギー庁 エネルギー白書2011
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2011/index.htm

(溝渕)

電気代を下げる方法

断熱する

電気代を下げる方法として、断熱性の高い家に住む事が考えられます。断熱性の高い家なら、冷房の時期にも暖房の時期にも、外気温に左右されることが少ないので冷暖房効率が高まり、1番電気代のかかるエアコンの使用が少なくなり節電につながります。

熱の流入、流出

上図を見ると窓からの流入・流出の割合が、外壁や屋根よりも圧倒的に高いことが分かります。せっかく冷暖房しても断熱性能の低い窓だと冷気(冬は暖気)が逃げてしまいます。意外と見落としがちな窓の断熱には、複層ガラスやLow-E複層ガラスの使用が効果的です。

Low-Eガラス Low-E複層ガラスは、複層ガラスの内側に特殊金属膜を貼り付けることで、太陽の熱線をカットしたり、室内の熱が逃げないように反射させる効果があります。

YKK ap
http://www.ykkap.co.jp/products/reform/plamadou/index.asp

日本板硝子株式会社
http://ecology-glass.jp/products/pairmulti_reiborg.html

(角元)
省エネ家電を使用する

「10年前の製品なら買い換えた方がお得よ。」なんていうご意見をよく耳にしますが、実際どの程度電気代は下がるのでしょうか?「省エネ製品買換えナビゲーション しんきゅうさん」(環境省)を利用すると、現在使用している製品と購入を検討している製品の電気代を比較することができます。また、エアコン・テレビ・冷蔵庫・電気便座・蛍光灯器具の5製品には「統一省エネラベル」が貼られており、電気代を確認することができます。

冷蔵庫の比較

照明をLEDにする

LEDは、白熱電球・蛍光灯に比べて省エネで長寿命のあかりとして一般家庭にも広まってきています。数年前は、「省エネだけどコストが高い」と言われていましたが、最近では低価格化が進んでいます。

LEDの特徴

省エネ製品買換えナビゲーション しんきゅうさん
http://shinkyusan.com/index.html

大光電機株式会社
http://www2.lighting-daiko.co.jp/led/index.html

コイズミ照明株式会社
http://www.koizumi-lt.co.jp/product/cledy/led.html

(溝渕)
次世代の家-「スマートハウス」

次世代型の住宅として、省エネはもちろん、自宅で創エネし蓄エネするという、電力系統になるべく頼らない生活を行う「スマートハウス」への注目が高まっています。ここではその例をあげ、特徴や機能をご紹介したいと思います。

積水ハウス「グリーンファーストハイブリッド」

グリーンファーストハイブリッドは3電池(燃料電池、太陽電池、蓄電池)を組み合わせた電力供給システムで電気エネルギーの自給自足により、電力会社から送電される電力をできる限り使わずに、安定的な電力供給を可能にしています。蓄電池の容量が8.96kWhと大きいことや、太陽電池の余剰電力は売電可能なことが特徴です。

図①

図②

日中の電力消費はできる限り燃料電池の発電で賄い、太陽電池の売電量を増やす。電力消費の多い夕方から夜にかけては、蓄電池から電力を供給し購入電力を減らす、といった制御を行う。なお蓄電池は電力価格が安価な深夜に充電することで、光熱費を削減している。 

プラス面

一般的な住宅の年間の光熱費は252,900円だが、グリーンファーストハイブリッドは年間で264,300円の削減効果があり、光熱費は逆にタダになり黒字になると言われている。

マイナス面

太陽電池が1kWあたり44.8万円、燃料電池が240万円、蓄電池が200万円となっており、国や地方自治体の補助金を活用することで、実質的な購入価格は少し軽減できるが、高額な費用がかかる。

図③

※但し、燃料電池700又は750W、太陽電池3kW以上を基準とする。

積水ハウス
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/newsobj1720.html

(角元)

電気代を下げる知恵

山田浩幸著「エアコンのいらない家」を読み解く
自然のチカラで快適な住まいをつくる仕組み- 株式会社エクスナレッジ発行

建築設備の設計をなさっておられる山田浩幸さんによるエアコンのいらない家への取り組みを紹介されている本を取り上げて、電気代を下げる知恵をいただきました。(文章中山田さんの文章を元に表現を変えて書いています。)
エアコンをなるべく使いたくないと希望される方が増えています。それは機械の力で半ば強制的に作り出されたエアコンの風に体調を崩される方が多いのと、節電への認識の広まりによる所が多いのです。ここではエアコンをなるべく使わない。そんな家について検証して行きたいと思います。

図

日射しを調節する

夏の日射しを遮り、冬の日射しを取り込めば室内の温度調節を容易にすることが出来ます。家の南側スペースに日射しが取り込みやすい大きな窓を設けます。そうすれば冬の日射しを室内の奥まで取り込むことが出来ます。逆に夏の日射しをカットする為に軒を出し庇を設けることで調節します。さらに8~9月の日射しはよしずやすだれを併用することでより効果的になります。東西の窓はなるべく南側に設置しますが、庇を設けても角度のゆるい東西の日射しは全く防げないので、そういう場合はオーニングなどを利用します。

ポイント

庇の寸法=開口面の高さ×0.3
高さ2mの開口面を設けたいなら60cmの庇を設ければ十分です。

オーニング

オーニングの設置例

温度差で空気を動かす 通風と換気

温められた空気は膨張して軽くなるので自然と上昇する性質があります。また温度の高い空気が上昇するとそこに温度の低い空気が流れ込んで来ます。この一連の動きを利用して住居の下から上へと建物の北から南へと風の流れを作ります。そうすることで住居内の空気を動かし貯まっている室内の湿気も一緒に排出されます。

目からウロコ

● ミスナールの法則: 気温が10℃以上なら、湿度が上昇するほど熱く感じる
気温が10℃以下なら、湿度が上昇するほど寒く感じる
● リンケの体感温度: 風速1m/秒につき体感温度は1℃下がる

お気付きかもしれませんが、これらのことはすべて昔ながらの家によく見られる構造です。エアコンや電気の無かった時代の家というものは実に理にかなった作りだったということが証明されます。家で出来る節電を考える前に本当にその家が節電できる家なのかをもう一度検証する必要があるのかもしれません。(常深)

地下に住まう

明るくて日当たりのいい家が良いのは当たり前ですが、もし平均気温が今よりもちょっと上昇した未来の地球で、本当に日当たりがいい家が快適なのかという命題のもとに、全地下住宅を提案します。比較的温度変化の少ない地下で電力をなるべく消費しない生活を考えてみましょう。(常深)

提案

トピックス
この夏すぐにはじめられる!

節電グッズのご紹介

01スプレー 02キャンドル 03タイマー 04保温カバー 05カーテン
01スプレー 02キャンドル 03タイマー 04保温 01スプレー
窓用省エネスプレー
1,000円~
ソーラーキャンドル
1,700円~
節電エコタイマー
2,320円~
保温調理カバー
3,200円~
後付裏地カーテン
6,980円~
窓ガラスの室内側にスプレーするだけで、超透明特殊断熱膜によって室内の温度上昇を抑えます。効き目は約1ヶ月です。 日中、太陽のあたる所に置いておくと、暗くなったらホタルのようにほんのり明るくなります。枕元や廊下の足元灯におすすめ。 設定した時刻に、家電製品の電源を自動で入切します。削減できた電気代や使用中の電力量など表示します。 鍋が煮立ったら火から下ろしカバーをセットします。断熱材が熱を逃がさずとろ火で煮込むように保温調理します。火を使用しないので、室内の温度上昇も抑えられます。 既存のカーテンの裏側に引っかける後付けタイプの遮熱カーテン。遮光・遮熱効果を高めます。(100×198cm2枚組)

母屋の思い出

Setsuden_09matome 天気のいい日に屋根に布団を干していると、しばらくするとなんとなく気持ちよさそうなのを嗅ぎつけて猫がやって来ることがありました。当時子供の僕も窓をよじ登って屋根に上がり暖かくて気持ちのいい布団にくるまれて猫とよく寝ていたことを思い出します。母屋にやって来ると以前茅葺きだった母屋の天井は高く、土間のままの床を歩いてかまどや炊事場まで行っていたことを覚えています。母屋は夏の昼間でも結構暗くて涼しかったのですが、真夜中に喉が渇いて母屋の電気を点けるとまるでこの世のありとあらゆる虫や小動物やもっと訳のわからない者達が一斉に物影や縁の下に隠れて行く姿を目の当たりにして、子供ながらに見てはいけない物を見てしまったと言う思いがしました。まっくろくろすけを見付けてしまったメイちゃんのように・・。今でももう一度あの頃の暮らしに戻りたいとは思いませんが、それでもあんなふうな暮らしが都会でも出来るような気がして、そんな家をどうやったら建てられるかをずっと探しているような気がします。(常深)

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