Reform02
都市部中層マンション

今回は、都市部に建つ中層マンションの高層階に、ワンフロア1邸という戸建て感覚で暮らせるゆとりの独立住居を購入されたオーナー様のお宅です。南向き3面採光、サービスバルコニー付きという憧れの間取りを手に入れられたオーナー様がさらにリフォームで求められるものとは何か?その一部を御紹介させていただきます。

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01. まずはお話を伺いました。

-はじめて内覧をされた日にすぐに物件の購入を決められと伺いましたが、最初の印象をお聞かせください?-

「築10年と言うことでしたが、思っていたより傷んでいるのかなと言うのが第一印象でした。新築マンションはこれまでも何度か見たことはありましたが中古マンションと言うのは初めてだったのでよくわからなかったのかもしれません。あと少し古臭いイメージの内装だなと感じました。でも基本的に使い勝手はいいと思っています。間取りも不満は無いです。」

-購入のポイントはどこですか?-

「75㎡と都心では贅沢の言えない大きさですが、何よりもそれを感じさせないほどのサービスバルコニーの存在でしたね。日当たりがいいのと風が全面に通り抜けるというのはきっと生活する上で役に立つのではないかと思いました。ちょっとした庭付きのマンションを購入したと思えば高くはないと思っています。」

オーナー様が求められるリフォームのポイントはどうやらこのお話の中にあるような気がします。

02. 古臭いイメージのおおもとをつきとめる。

最初の印象の中でお聞きした「古臭いイメージの内装」について見て行きましょう。

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まず考えられることは色目だと思います。このマンションが建てられた10年前と言えば確かに濃い色目が流行っていました。また床材と建具、内装のポイントにいたるまで、同じ色目でコーディネートされることが多かったと思います。だから濃い色目=古臭いといったイメージにつながったのかもしれません。実際にこの部屋の全面に貼られているウォールナット色の床材や連なる同色の建具などを見ていると、少し重い感じになっています。このあたりをうまく解消出来れば古臭いイメージを払拭することが出来るかもしれません。

次にキッチンを見てみましょう。

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リビングからキッチンに入ってくると正面の壁側にL型のシステムキッチンがあり、壁面いっぱいに十分な収納がありました。大理石調のカウンタートップに住居全体で統一された濃い色目の面材を使った収納扉、ヘアライン調の取手などがどうも古臭いイメージのおおもとになっているのかもしれません。

03. 色目を変える事。

マンションリフォームの場合、建具を変更することは予算を大きく削る事になります。今回は比較的に建具の状態が良かったので建具を残して、相性のいい床材を提案しました。さらにオーナー様が今後持ち込みたい家具や家電の色目なども参考にしながらオーク色を選びました。

(※もちろんウォールナット柄が古臭いのではありません。現在でも主流の色目ですが、経年劣化した濃い床材は他の色目より余計に傷んで見えるということがあります。)

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キッチンは奥様が長い時間を過ごされる場所だと言うことで、ここはすべて一からやり替えたいということで新しいシステムキッチンに入れ替えることにしました。

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(Panasonic製 リビングステーションNewLクラス)

04. オープンキッチンの御提案をしてみました。

「システムキッチンを入れ替えるにはかなり大掛かりな解体工事が発生します。この際にせっかくならこのクローズドな壁の一部を切り取ってオープンなキッチンにしてはいかがでしょうか。壁の一部を開放するだけでリビングとつながる大きなLDKになります。結果的に部屋を広く見せる事にもつながり、キッチンで長時間作業をされる奥様がリビングで団欒される家族を見ながら過ごすことが可能になります。何より旦那さんも家事に参加してもらいやすくなりますね」とお伝えしました。

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(オーナーさんの意向で実際の壁に書かせていただいたラフイメージ、リフォームが終わったらもう書かないでね)

05. 使い勝手を考える。

リビングとキッチンをつなげることのメリットは単に空間が広がるということだけではありません。もちろん対面式のカウンターがより家族やゲストとの距離を近づけることは言うまでもありませんが、東西にある小窓から風を呼び込むこともスムーズになり、また採光の面でも有利になります。システムキッチンは上部の収納ユニットが不要だということでしたので、その分の費用を他にまわせますし、その分新たに見せる収納をと言うことで棚を作りました。

06. 工事風景を御紹介します。

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(古くさいイメージのおおもとだと思われるウォールナット色の床材と間仕切り壁を撤去しました。)

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(新たに開口部を設けた間仕切り壁を新設して新しいオーク柄の床材を施工します)

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(床材の色目を変更することとキッチンを開放するだけでリビングからのみた部屋のイメージがこれまでとは全然違って見えます。)

07. キッチンに奥行きを持たせる。

解放したキッチンの中の色目を少し濃い目にすることで実際よりも奥行きがあるように見せることが出来ます。キッチンの面材はネイビーブルーをということでしたので壁タイルは少し抑え目の色柄タイルにしました。そこに黒マット色の金物フレームと木製の棚板との組み合わせた収納棚を作りつけました。

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08. こだわりのポイントを作る。

打合せを進めるに連れてオーナー様もご自身の思いを形にしたいというご希望を伺いました。

「ここにカウンターが出来たら家飲みバーみたいにしたいと思います。最近はもっぱらウィスキーなのですが、バーの雰囲気がちょっとでも出せたらいいと思いました。」

ウィスキーと言えばオーク樽ですよねという事で盛り上がって、壁にオークの板でも貼りましょうかということから決まりました。

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(壁に貼り込んでいる板はジャパニーズウィスキーの草分けであるサントリーの蒸留所で、すでに役目を終えた樽の廃材を再利用したものです。)

09. アクセントウォール ノイズを消すデザイン。

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リビング正面の壁紙ですが最後まで悩んだ末にこういう壁紙を提案しました。最終的にこの面にテレビボードが置かれてさらに上はクーラーの取り付け面になっているとのこと、さらに東側面の縦長の窓開口があるということで、TV・エアコン・窓とそれだけですでに登場人物が多すぎるので、単色の壁紙にするとそれらのものが強調され過ぎると思いました。いっそのこと背景の壁紙を複雑にすることでノイズをノイズとして取り込んでしまって、逆にすっきり見せたいという考えからでした。

10. 照明にもこだわりました。

既設照明は部屋の真ん中にあるシーリングライトだけだったのですが、ダイニングはペンダントライトとダウンライトへ、リビングはライトコントロールが可能なダウンライトに変更しました。シーンコントロールが出来る事で多彩な照明演出が出来ます。採光が十分期待できるリビングでは照明の微妙な調整が出来る事で省エネにもなります。

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11. 南面大開口サッシに断熱ブラインド。

南面の大きな開口サッシにはハニカム構造の断熱ブラインドを採用しました。ハニカム構造の空気層をもったブラインドはベランダから跳ね返る輻射熱を遮るのに効果的です。さらには冬場の弱い日差しをためこんで室内を暖める役目も果たします。何よりもやさしい採光が得られことが大きいと思います。

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12. 完成画像で見るリフォームのポイント。

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(リビングからキッチンへの導線です。 オークの風合いで統一されたダイニングにはウィスキーの樽材で作られたアクセントウォールと対面カウンターが見えます。奥のキッチンは開放的で作業がしやすいレイアウトになっています。キッチン内の色目を少しだけ濃いものを使うことで奥行きのある空間に見えます)

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(対照的にウォールナットの家具が壁側に並んでいますが、違う色目でも違和感なく混在している様子がわかります。オーナー様ご自慢のウィスキーたちが納められた家具も今回オーダーされたということです。)

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(機能的な配置のシステムキッチンは食器洗浄機を付けたモデルです。上部の収納を取り払ったことですっきりとしたキッチンスペースを実現しました。何よりも見られる事を意識したデザインになっています。西側の開口部よりあたたかそうな日差しが差し込んでいる様子がわかります。)

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(キッチン側から見たリビングの様子です。 ワンポイントの壁紙が印象的なリビングです。ノイズをノイズとして生かしたデザインとなっています。)

13. リフォーム後にお話を伺ってみました。

-今回のリフォームはいかがでしたか?-

「非常に満足しています。全く違う家になったような気がしました。ありがとうございます。」

-何か印象に残っていることはありますか?-

「一番今回のリフォームで印象に残っていることは打合せの時におっしゃっていただいた言葉ですね。無理に高望みせず、絶対するべきこととそうでもない事の順番を決める事と、想定金額を事前に決める事。欲張って無理に想定金額を越えて工事してしまうと後でしんどくなってしまう。余裕を持ってリフォームしましょうと言っていただいたのでちょっと楽になりました。他のところはまたお金をためてからやればいいかと思えるようになったのです。」

-管理組合の方でサービスバルコニーの防水工事もやっていただいたそうですね?-

「そうなのです。今はベランダがとてもきれいで、この先菜園お花のプランターとかにも手を出したいですね。これも管理組合に相談してみればと助言をいただいたおかげです。」

14. 最後に一つだけ。

じっくりと時間をかけてお話をして、提案をして、金額を設定して、じっくりと工事をやればいいものが出来る確率は必然とあがります。でも中古分譲マンションの場合は購入決定から入居日までがほんの数か月と言う場合がほとんどです。その中ですべてを選択して決めてしまうのはオーナー様にとって大変負担になることです。かといってそもそもリフォーム工事のことばっかり考えながら物件を探しているわけではないので、いざとなると焦ってしまうのは当たり前です。
ただ普段からこんな間取りがいいな!とかこんな家具が欲しいな!とかこんなことしたいな!とか言う漠然でもイメージがあると意外と糸口はすぐに見つかるものだったりします。

最後までお付き合いありがとうございます。ハニカムではリフォーム工事の御用命をお待ちしております。

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