Factory Volume
株式会社サンコーの御紹介


今回は「BENCH」の打ち合わせを兼ねて、以前から訪ずれたかった株式会社サンコー様(以下、サンコー)の本社工場に行ってきました。サンコーのある福岡県朝倉市には福岡駅より鹿児島本線で基山駅を下車、向かいのホームにある甘木鉄道に乗り換えます。ほのぼのとしたカラーリングがかわいい一両編成のディーゼルカーにごとごと揺られて25分、終点甘木駅に着きます。

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お話を聞いていただいたのは、サンコー営業部の池邊様です。今回「BENCH」のコンセプトプランとイメージをなるべく細部に至るまで実際に確認しながらお話しをして、4色のサンプル製作をお願いしました。コンセプトはまた別の所でお話しするとして、今回は4色サンプルを作ることに一番こだわったのです。その後は池邊さんに工場の中を案内していただきました。いくつも並んだ工場の規模もさることながら、管理や清掃が行き届いていて、生産性を考慮して配置された機械、さらにはその機械の手入れなどを見てもプロフェッショナルさが伝わって来ます。そして遠く九州が一大家具生産地として、日本全国に名声を轟かしていた頃の風景も想像できるのです。

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北米産の銘木を多く扱い、ウォールナットやブラックチェリー、レッドオークなど輸入される材料を無駄なく利用する試みや、ふし穴やちょっとした木目の斬新な模様もそのまま生かした風合いの家具を生みだすデザインなど、材料の調達から製材、プレス・曲げ・木取り・組み付け・塗装までの一貫生産、販売が行える工場は全国でも珍しく、それがすなわちサンコーの強みであり、家具のブランド力になっているのだと思います。

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工場見学を終えると、ギャラリーであるSAKURA INTERIOR SHOPに案内していただきました。サンコーのWEBにもよく登場する家具のほとんどすべてが展示されています。

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GUSTOのバリエーション展示風景です。GUSTOのアピールする世代は若者世代。新婚から子供が出来て大きくなるまで、メープルやオークの風合いは時を経つとともに変化して行きながら風合いを増し、面加工された家具は安全性を確保してあります。家具の高さを低くすることで、目線を遮らないように、家族の団欒を妨げないような工夫が見えると思います。

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PRONTOとCOMPOSの展示風景です。ウォールナットやブラックチェリーで作られた家具は、年を重ねた大人をイメージさせる雰囲気です。長く付き合っていける家具を一つ持つということは人生に深みを与えるような気がします。

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メープル材を芯材に使用しチェリーとウォールナットでサンドしたソファーとテーブルの組み合わせです。こういう感性が日本の家具の今後をすごくいいものにしてくれそうな予感がします。

無垢の木の風合いや手触りに触れた人は、こんな家具があったのかという事を知ると思います。良い家具に触れて、家具に使われている木のことや森のことを知りながら、所有することの喜びにつながっていくということを知るのだと思います。(文章中、敬称略)

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