ハービー・山口写真集

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ハービー・山口 Herbie Yamaguchi「Hope 空、青くなる」講談社、2009年。

ハービー山口さんは、1950年東京都大田区出身の写真家である。1973年東京経済大学経済学部卒業後、渡英する。以後10年ほど滞在する中で写真を撮る傍ら、音楽家ツトム・ヤマシタ氏が主宰する劇団「RED BUDDA」の役者として、1年間に100回におよぶ舞台講演に参加するも後に退団、その後イギリスの写真集団「Quality of Life」に加わり写真制作と発表を続ける。ロンドンでパンクロックやニューウエーブと呼ばれる音楽シーンに登場するアーティストを多く撮影し、デビュー前のボーイ・ジョージとルームシェアするなど素顔のアーティストを捉えた事で知られている。また多くの市井の人々も撮影する。帰国後はファッションやコマーシャルの世界で活躍するほか、福山雅治や尾崎豊などのアーティストの写真集を制作している。1985年ロンドンでの様子をまとめたファースト写真集「London After the Dream」(流行通信社)を発表。モノクロームのスナップ・ポートレイトの優しく清楚な作風は多くの人々を惹きつけた。2011年「デビュー以来一貫して変わらない瑞々しい感性と優しい眼差しで捉えた、音楽家や俳優、市井の人々の姿は見る者の心に希望を与え、幸せにする。その長年のヒューマニティあふれる作家活動に対して」という理由で日本写真協会賞作家賞を受賞する。2014年にはライカ100周年を記念した写真展、Eyes Wide Open!100Years of Leica Photographyに 、100年の歴史を彩る世界の写真家140名の一人に選ばれるなど、国内外で高い評価を得る。現在も作品を発表し、エッセイ執筆やラジオ、テレビのパーソナリティーなどを務めるほか、九州産業大学芸術学部写真表現論ゼミなど、多くの教育の現場で後進の指導に当たっている。

本書は子供からおじいちゃんまで幅広い年齢層と職業の人たちを映したモノクロ写真集である。「ハービー・山口の『雲の上はいつも青空』 第47話 『HOPE 空、青くなる』」の中で、「人々のささやかな幸せの光景や生きている姿であり、それを写真に残すことで『人間ってやっぱりいいもんだよ!』ということを表したかった」と述べている。続けて帯文についての話をされているが残念ながらこの書籍には帯はない。いっそのこと帯なんて無ければいいのにと思うがそうもいかないらしい。

ハービー・山口の『雲の上はいつも青空』 第47話 『HOPE 空、青くなる』
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