Romain Jacquet-Lagrèze写真集

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Romain Jacquet-Lagrèze「Wild Concrete」2014年。「Concrete Stories」2018年、Asia One Publishing。

Romain Jacquet-Lagrèzeは、香港を拠点に活動するフランス人写真家である。2009年に香港に移り写真を撮り始める。Blue Lotus gallery所属。いくつか魅力的なシリーズを持つ写真家であるが、タイトルがコンクリートで共通する二つの写真集がある。「Wild Concrete」は、香港の繁華街に建つ住宅群の中に見つけるコンクリート製の壁やほんのわずかなスペースに発芽し過酷ともいえる環境下で生存している植物と、それらが生息し駆逐されていく住宅に焦点が当てられており、生命力のある亜熱帯の植物を捉えながら、香港の人々の生活にまで表現は及んでいる。多くの場合住宅の老朽化は進み、遠くに高層の最新建築も見える。一方「Concrete Stories」は集合住宅やオフィスビルの屋上にフォーカスしており、洗濯物を干す人、体操をする人、語らう人など、様々な目的をもってやってくる屋上の人々を捉えている。作家は、中には屋上バー、屋上農場、屋上養蜂場、パーティーや映画上映館などもあり、プライベートでありパブリックでもある香港の屋上は大変意義のある空間である。と語っている。Wild Concrete:190 x 276mm、160頁、上製本。Concrete Stories:245x285mm、104頁、上製本。