赤鹿麻耶写真集

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赤鹿麻耶 Maya Akashika「風を食べる(Eating wind)」Visual Arts College/赤々舎、2012年。

赤鹿さんは大阪府生まれ。関西大学中国語中国文学科東アジア映像文化論専攻卒業後、ビジュアルアーツ専門学校大阪写真学科にて写真を学ぶ。本書は2011年、第34回キヤノン写真新世紀グランプリを受賞した翌年、第10回Visual Arts Photo Award受賞作品として出版された。この賞は優れた写真家の作品を写真集として後世に残すことを目的としている。

どことなくパフォーマーのような人物を捉えた写真が続くが、作家自身「実験のようなもの」と語るように「イメージをもとに出発する」ことを前提とした創作の部分が強く押し出された作品のように感じる。「ぴょんぴょんプロジェクトvol.1 」(大阪 桃谷の空き地、東京 銭湯松の湯、2015年)「大きくて軽い、小さくて重い」Kanzan Gallery(東京、キュレーター菊田樹子、2017年)などの展示を見ても、自らより湧き出るイメージの可能性を多く残した創作をベースとしているように思える。B4サイズ上製本、和紙のような手触りのカバーが印象的である。白場をふんだんに使ったデザインが作品を非常に潔く感じさせていて気持ちいい。