旅の理由(わけ)

第二話 気になる旅先の天気、タイ。

旅行中に気になるのはその日その場所の天気であるが、滞在中ホテルのカーテンを開けるとほぼ毎日、もやっとした空模様なのはタイのバンコクの特徴である。今日は曇りかな?と思っていても、大概数時間もすればすっきりと晴れあがり、あの悶絶するほど高温多湿で不快指数抜群のいつものタイに戻っている。タイは一年中日本で言うところの7月から8月頃の気候が続き、しかも平均湿度が73%と国全体がサウナの中みたいなものである。熱帯モンスーン気候に特徴的な雨季が半年ほど続くが、ちょうど訪れた4月は乾季であった。雨はそれほど降らないが一年で一番暑い時期であり、最高気温は40℃近くなる。そのためホテルや施設の中は1日中結構な冷房が効いていて、外とのギャップにびっくりするのである。写真はホテルを出てすぐの通りに屋台を出して食べ物を売る老婆がいたので撮影したものだが、見返すとその前後はほぼ真っ白だった。ホテルの内気と外気の気温差のせいでカメラのレンズが曇ってしまったのだが、最初は何のことかわからなかった。ちょうど訪れた年はプミポン国王がお亡くなりになって、国民が喪に服している最中だったのでどことなく国自体が悲しみに包まれていたが、微笑みの国と呼ばれるタイの人々は、それでもみんなやさしかったのである。