旅の理由(わけ)

第十一話 休みの日は蚤の市へ、マドリッド。

マドリッド地下鉄5号線のLa Latina(ラ・ラティーナ)駅を上がるとすぐにマクドナルドがあるが、今日はここには寄らずにマドリッド名物のEl Rastro(蚤の市)を目指す。カルロス広場を中心としたトレド通りとエンバハドーレス通り、ロンダ・デ・トレド通りに囲まれたほぼ二等辺三角形の地域には、日曜日と祝日の朝の9時から3時くらいまで市が立つ。三角形の頂点にラ・ラティナ駅があるので駅を出るとリベラ・デ・クルティドーレス通りの坂を下りながら南進するルートをとれば、両サイドに露天がひしめくメインストリートに出る。いかにも年代物の骨董品が取り引きされる蚤の市とは違って、1ユーロから売られている生活雑貨やおみやげに最適な衣類や革製のカバン、ピアスなどハンドメイドの手工芸品とありとあらゆる物が売られていたり、通りのところどころで大道芸人達が様々な技を披露してくれる。朝方から見て歩くのがお勧めだが、早ければ1時間ほどで通りを抜けてしまうので、ちょうどお昼時に合わせてビールでも飲んだり、おいしいチュロスやコーヒーを飲んで小休憩してから同じ道を戻ってもいい。観光客か地元の人かはさっぱりわからない人込みに紛れて歩くのもたまにはいいかもしれない。