| 5月11日（火） 盛る自分10 桑田真澄 |  Back |
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またジムに通いだした、じっくりとマシンで体をいじめてから歩き始める4ｋｍ/ｈで。最初に足がしゃべりだす「20年もほったらかしておいて今頃なんだ」と、続いて肺が負けずにしゃべり始める「こっちなんか煙草に20年近く苦しめられてたのに、やめたから今度は走るなんて冗談じゃない」と。体中がじわっと汗ばむのを感じながら僕は心臓に語りかける、「とりあえず呼吸を整えることから始めよう、距離や速度はそれからでもいいじゃないか」と肺をなだめながらぶつぶつと一人でやっていると、にこにことした笑顔でトレーナーが立っていた。マウンドの桑田のような気分になる。7.2ｋｍ/ｈまで速度を上げる。これで走ってもマラソンは6時間かかる。ひどい現実だ。
