編集後記 お風呂の思いで
小学4年生の夏、海洋訓練から戻ると家のお風呂が替わっていた。ピカピカのステンレスの風呂桶がそこにあって、蛇口をひねれば暫くするとお湯が出てきた。それまでのお風呂は円形の五右衛門風呂で、浮かんでいる底板に乗って器用に沈めて底の金具にひっかけなくてはならなかった。失敗すると釜でやけどをするような風呂だった。だから一番風呂はいつも子供か父の役割だった。寒ければ窓から母を呼ばなくてはいけないし、呼ばれれば家族の為に薪をくべなければならなかった。あれからたくさんのお風呂に入ったが、あの時ほど入浴に一生懸命だった時は無かったかもしれない。(写真:五右衛門風呂イメージ) (常深)