写真

通風

10年程前どこかのショールームでこんな模型を見ました。「風は一か所を開けるだけで通るものではない、入口と出口が必要。」という事を示した物だったのですが、これが何だかとても印象に残っていました。

透明アクリルのトンネルの中に風車の模型。一方から風が吹き込むようになっています。もう一方は蓋を開閉できるようになっています。蓋を閉じた状態では風車は動かないのですが、蓋を開けた途端、風車がクルクルとまわります。

また、ハニカムの家を建てる「節電する家」で勉強した際、「エアコンのいらない家」という本を教えてもらったのですが、これがとてもおもしろく勉強になりました。一言でまとめていいのか分かりませんが、自然の力をうまく利用して快適な家を目指す、というような本です。

エアコンのいらない家
https://www.goodbyeac.com/

この本は通風のことだけ書かれているのではなく、本の全てを理解するほど読み込めておらず付け焼き刃の知識になるのですが、我が家の通風を考えるのに何回も読ませて頂きました。

ナマケモノ

少し話がそれますが、私が小さい時に住んでいた家は元々沼地という立地で、しまい込んでいる物はすぐにカビが生えるという湿気の多い家でした。そのせいもあってか、エアコンをなるべくつけずに過ごしたいという気持ちもありましたが、それよりも風通しを良くしたいという気持ちが強くありました。

入口と出口

・風には入口と出口が必要
・必要な風は南から北へ
(必要な風とは夏に屋外から取り込みたい風のこと、日本の夏は南から北へ向かって吹く風が多くなります。)
・建物内の気流は、低い位置から高い位置へ移動する
・欲しいのは冬の太陽と夏の風

これは「エアコンのいらない家」(本)から抜粋させて頂きました。やはり、私が昔見た模型のように入口と出口が必要で、それは南北にあいているのがいいようです。今まで、南向きだと日当たりがいいんじゃない?くらいにしか考えていませんでしたが、通風に大きく影響するようです。

ナマケモノ

そもそも「夏と冬の風向きが違う」といったことを考えたことがありませんでした。

いざ打ち合わせの時。とりあえず入口と出口。これだけは覚えていて、気を付けて図面を見ていたのですが、幸いにも我が家は南向き(正確には南南西くらい)で家の前に道路、主な窓が南面に配置されていて、北面に出口となる窓もありました。

参考URL エアコンのいらない家 通風のチカラ https://www.goodbyeac.com/mecha06

こちらのサイトには山田浩幸さんのインタビューものっています。山田さんは設計をされる際、まずは敷地を見に行って、そこの気象条件や周囲の環境などを調べるそうです。風向きも大まかに言うと「必要な風は南から北へ」ですが、正確には地域によって違うようです。このお話を読んで、我が家の住む町の気象情報を調べてみたところ、夏に多いのは南東、通年では南南西でした。

そんなわけで、購入時点でそこまで気にしていなかった土地の向きにも助けられて、ほぼ最初のプランのまま進めたのですが、1Fの洋室だけ一部変更をお願いしました。

南側に腰窓。南寄りの西側に出入口。このままでは北側(紫の部分)の空気の滞留が気になりました。

風が入ってもすぐ出てしまう。↑

建築会社に相談したところ、収納の北面(ピンクの部分)に自然給気口をつけましょうということになりました。

ヒツジ

耐震等級3の規定の兼ね合いで、窓は増やさない方がいいと説明を受けたような気がします。

自然給気口の写真です。気が付けばまわりが真っ黒に。風が通っているという事でしょうか?

ナマケモノ

ていうか掃除しないと。

住んでみて思うこと

そんなわけで、それなりに風の通り道は確保できているかなと思っていたのですが、この記事をまとめるにあたって、改めて「エアコンのいらない家」を読み込んでいると、考えきれていなかったところがまだまだ沢山、、、そして何よりも、いくら風の通り道をしっかり作っていても活用しないと意味がないなとしみじみ思いました。

というのも普段2Fのリビングにいる事がほとんどで、防犯面が気になって1Fの窓はつい閉めてしまいます。

ナマケモノ

風の通り道を作ることだけに頭がいって、その他の要素、防犯やプライバシーといった事と絡めて実際の生活を想像することができていなかったのだと思います。

現在の1Fの窓は、しっかり採光・採風はできますが、防犯を気にすると開けっ放しにしにくく、外からの視線も気になります。

例えば、もしこんな窓だったら、、、
①外からの視線をカット。人が入れないサイズにすると採光量が少ない?
②上は採光用。外からの視線は気になる。下は人が入れないサイズで常時採風。

予算の問題もありますし、実現可能だったのか分かりませんが、もう少しのびのびと風を通せる家にできたのでは、と悔やまれます。

そんなわけで後悔が残るところではありますが、とりあえずそれは置いておいて。最近は毎日短時間でも、2Fだけでもあけるようにしたり、風通しを気をつけています。

写真は2F北面にある窓です。↑ これから寒くなる季節は、湿気を逃がすために北側の窓を少しだけ開けるのがいいと本にあったので、これも実践中です。

今後試してみたいのはサーキュレーターです。この夏に購入して、購入サイトには床の真ん中に置くといいと書かれていたのですが、子供もまだ小さいので結局冷蔵庫の上に置いています。

そんなとりあえずまわしているサーキュレーターですが、うちは1Fと2Fが扉なくつながっているので、もしかしたら1Fの玄関に置いたら効果的なのでは?1Fから2Fまで空気をまわすにはパワーが足りないかもしれませんが、子供がもう少し大きくなって危なくなくなったら試してみたいと思います。

1Fの窓もせっかく作ったものなので、もっと活用できる方法を考えていきたいです。

2020/11/4

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