南阿沙美個展
‐MATSUOKA!-島根のOL‐ 同時開催

2019.08.03 - 08.25

ARTIST STATEMENT

MATSUOKA!

「ただ写真で全部ぶっ飛ばすような、 ヒーローの写真が撮りたい」
何をしているんだろう、何と戦っているんだろう。
わからないまま撮り続けました。
答えとかに追いつかれないように
走って、走って。-南阿沙美『MATSUOKA!』あとがきより

島根のOL

島根はとてもいいところ。
こんなところにこんなOLがいるなんて、
私は嬉しくて通ってしまった。
-南阿沙美『島根のOL』あとがきより

南 阿沙美 Minami Asami PROFILE(2019年現在)

1981年北海道札幌市生まれ。2014年キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。

これまでに「MATSUOKA!」「親子写真入門」「sheHerHers」「オートマチック乙女ちゃん」「ハトに餌をやらないでください」等の作品を個展・グループ展で発表している。

EVENT

TALK SHOW | OPENING RECEPTION

8月10日(土) 19:00~ 要予約 先着40名

ゲスト:南阿沙美×佐伯慎亮|1979年、広島県生まれ。2001年キヤノン写真新世紀優秀賞、2018年大阪市咲くやこの花賞美術部門を受賞。国内外での展覧会やドキュメンタリー映画の製作、広告、雑誌等のカメラマンとして関西を拠点に活動している。おもな書籍に『挨拶』(赤々舎)、『MY BEST FRIENDS どついたるねん写真集』 (SPACE SHOWER NETWORK)、『リバーサイド』(赤々舎)などがある。淡路島生活2年目。

STORY

南阿沙美さんとの出会い

最初にギャラリーにお越しいただいた日の南さん。長い打ち合わせの最後に“写真でも撮りましょうか?”とお願いした時のポーズである。その日は雨が降っていたのかは思い出せないが、それはやはり南さんらしいサービス精神にあふれたポーズであった。写真家の方に写真をお願いすると、案外みなさん快く答えて下さる。そして反応は様々だが一様に自分の得意か不得意かお決まりの構え方がある。そんな南さんを紹介いただいたのは川島小鳥さんでした。

搬入について

搬入はオープン前日の8月2日(金)に行われた。順調に進み休憩していると南さんが搬入を手伝ってくれていた手皮ちゃん(from劇団往来)が島根のOLのモデルのヒゴちゃんにめっぽう似ていることを発見してからはもう他人事では無い感じで終始和やかな雰囲気で行われた。

HIJU GALLERYでの展示について

“THE EXHIBITION OF MATSUOKA!” TOUR! と名付けられた、写真集”MATSUOKA!“出版記念全国縦断ツアーは、南さんの出身地である札幌を皮切りに全国6か所を回る巡回展である。MATSUOKA!は南さんが2014年にキヤノン写真新世紀の優秀賞受賞時の作品であるが、あれからさらに年月をかけて丁寧に撮り続けられ、今年念願の写真集として形となった。一方”島根のOL“は実在のごく普通(?)の島根県在住のOLに焦点をあて撮られた新作であり、HIJU GALLERYを皮切りに東京、北海道、鳥取、島根と巡回していく。その二つのタイトルを同時に展示するにあたっていくつかの仕掛けを打った。前室では左右の壁で二つのタイトル作品をがっつりと展示し、正面の壁と後室のスライドショーでは二つのタイトルのコラボレーション展示とした。そしてVS感をあおる意味で映画の劇場版ポスターを作って入り口の窓に大きく掲示し、さらにはとっておきのトークショーも開催することにした。

トークショー

トークショーは8月10日(土)19:00~トークゲストに写真家の佐伯慎亮さんをお迎えして開催された。佐伯さんが開演時間ギリギリになるということで少し焦ったが、あとで語られたその理由が非常に佐伯さんらしいエピソードだったのでその後大いに盛り上がった。トークショーの終盤には二つのタイトルのそれぞれのモデルさんにサプライズゲストとしてご登場いただいて、いろんな意味での暴露トークで盛り上がった。モデルを本来の職業としていない人が語るモデルの日々と、それを始めることになった経緯、出版された現在の状況など、赤裸々な人間模様がうかがえる貴重で悲喜こもごもな感情とエピソードがいっぱい詰まった時間となりました。ご登壇いただきましたすべての皆様、そしてご来場いただきました皆様、本当にありがとうございました。

TOPICS~誰かにとって特別な人~

写真家と被写体として長い年月をその関係性を保ちながら撮られた写真には、多くのエピソードやストーリーが隠れているのだろうが、例えばそれを写真集や個展として形として紡ぎだすには、ある程度の時間とさらにはもっと別のたくさんのパワーが必要なのだろうと思えることがこの展示を開催するうえで一杯あった。作家にとっての特別な人や時間を作品として発表することが、いづれまったく別の誰かの特別な人や時間となっていくという事実や、自分だけのヒーローだったものが誰か別の人のヒーローになっていくという事件的な瞬間を目の当たりにした時間でした。本当に楽しかったです。南さんの展示とこの後の鈴木さんの展示は私の中ではヒーロー展というくくりになっています。

写真集のご紹介

写真集「MATSUOKA!」
著者:南阿沙美
デザイン:佐々木俊(AYOND)
発行所:Pipe Publishing
定価:¥2800(税別)
Pipe Publishing Online Store |
https://pipe.official.ec/items/20523434
写真集「島根のOL」
著者:南阿沙美
デザイン:三宅航太郎(うかぶLLC)
発行所:salon cojika
定価:¥2800(税別)