Coca Dai写真集

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Coca Dai/戴建勇 コカダイ/ダイ・ジャンヨン(Dai Jianyong)「Judy Zhu By Coca Dai/朱凤娟」麻痹公司、2018年。

コカダイこと戴建勇(ダイ・ジャンヨン)は、1976年中国江西省(Jiangxi)武源県(Wuyuan)生まれ、現在は上海在住の写真家である。上海大学美術学院卒業。2000年よりフリーランスの写真家として活動する。2010年北京草場地春写真祭出展。2012年平陽国際写真展出展、受賞者となる。2015年「Judy Zhu 2008-2015」を制作。Jimei x Arles国際写真フェスティバルや、上海ビエンナーレなど、国内外のグループ展や個展に出品する。主な展示に、 2019年「Summer of Love」Shanghai Center of Photographyや、「Lianzhou Foto Festival 2019」 Shanghai Center of Photographyがある。

本書は作家の妻となる朱凤娟 (ジュディ・チュー)を、出会いから恋人時代を経て、妊娠、出産、カトリック改宗などを経験し、母親となるまでを撮影している。2008年から2015年までの8年間、登場人物はほぼ妻のジュディだけであるが、やわらかなフィルムで撮る写真にはストーリー性がある。濃密で愛情にあふれる幸福な瞬間や、怒りや驚きに満ちた顔、たまに見せるエキセントリックな状況や涙が残る瞳、退屈や憂鬱の日常を、写真家は残酷なほど情熱的に描写し、単純なドキュメンタリーを超えて、第三者的な傍観者を決め込んでいるようで、写真家としての妥協のなさが垣間見れる。あるインタビューに答えて⁣「何かを写真に撮ることは愛の一形態だと思います。何かを見て、ああ、かっこいい!と思って写真を撮るだけではありません。 妻が子供を産んでいる間に写真を撮る、私の子供を写真に撮る、妊娠中に写真を撮る、それは写真を撮るだけではありません。それはもっと何かです。その『もっと』は正直で個人的な写真の力です。」と述べている。