ウー・リー・ウェイ写真集

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邬烈威 (Wu Lie Wei、ウー・リー・ウェイ)「最高的年代(The Best of Time )Red」Éditions Bessard,France、2020年。

ウー・リー・ウェイは 1993年中国 寧波(Ningbo,China)生まれ、杭州(Hángzhōu,China)在住の写真家である。2014年頃より突如活動を開始し自費出版の写真集を次々と刊行していく。2014年10月「HIPPIE LIFE」「狂 欢(Noun Carnival)」、2015年3月「shizhen」、8月「副作用(Side Effects)」、10月「邬烈威(WULIEWEI)」、2016年1月「口活(Blow Job)」を刊行。2015年8月には短編映画「刺猬」を発表する。2014年10月個展「这一点也不嬉皮! (It is not a HIPPIE!)」を杭州市にあるレストランで開催。2015年9月個展「杞人忧天(Alarmist)」ManTou gallery (phoenix commune.杭州市)を開催している。また多くのグループ展に作品を発表する。詩やインスタレーション、パフォーマンスアート、ソーシャルプログラムなど、写真だけにこだわらない多くのプロジェクトがあり多彩である。また「フィルム(シンフォニー)オーケストラ」と呼ばれるフィルム写真のグループを主催、アート団体「Ratings」の運営、架空のコミューン「Shut Down Studio」の設立、インディペンデント出版プロジェクト「JPEG」を主宰するなど多岐に及んでいる。

本書はフランスの出版社 Éditions Bessardから出版されているが、写真集販売ポータルサイトshashashaの紹介文にこう記してある。「“The best of times”は、偶然にも周りの友人たちの様子に注目するきっかけになりました。撮影中、彼らの人生に対する姿勢や、それぞれの思いを撮影しました。写真は自分や自分の心を照らす鏡だと常々感じています。私たちは今は最高の時期にいます。数年後彼らがどんな風に写真に写っているのか、私は幻想を抱いています。死ぬまで撮り続けようと思います。」

A4サイズ・ハードカバー・クロス装の表紙は、ゴールド、グリーン、レッド、ブルー、ブラックの5色があり、各色エディションは100部、Cプリント付き、と大変豪華な写真集となっている。また表紙をめくると「paste me」と書かれた封筒の中に、中国語で書かれた詩があり、付随する番号が書かれたページの場所に貼って初めて写真集が完成するという試みがなされている。

中国をはじめとするアジアの新進写真家が注目されて久しいが、ある特異な部分のみ強調されて、同様に発信されている部分もあり、またそれに乗っかる輩も多いのは事実である。ただ未知の作家を身近に知ることが出来るのは、まず何よりも大切なことであることもいなめない。