殿村任香写真集

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殿村任香 Hideka Tonomura「母恋 ハハ・ラブ」赤々舎 、2008年。

殿村さんは1979年兵庫県神戸市生まれの写真家である。2000年ビジュアルアーツ専門学校大阪 放送・映像学科卒業。2002年より写真を撮り始める。2003年初個展「渦」(ビーツギャラリー、大阪)、2004年「我家の幸い家庭ーその時は、死んでもいいと思ったよー」(ニコンサロン東京、大阪)。「殿村任香写映劇 浄瑠璃×写映」(Uplink Factory,渋谷)、2005年「殿村任香写映劇-〇三〇五-」(Up Link、渋谷)、2007年「ビバ・ホステスライフ」(クラブ銀子、歌舞伎町)と作品を発表していく。2008年 家族の赤裸々な日常を捉えたファースト写真集「母恋 ハハ・ラブ」を赤々舎より刊行する。2013年 新宿歌舞伎町でホステスとして働いていた時代に夜の人々を撮った「ゼィコードゥミーユカリ」をZen Foto Galleryより刊行する。その他の著作に「orange elephant」(Zen Foto Gallery、2015年)、「cheki」(Morel Books,London、2018年)、「焦がれ死に die of love」(Zen Foto Gallery、2018年)、最新刊に「SHINING WOMAN #cancerbeauty」(Zen Foto Gallery、2020年)がある。また、国内外で多くの個展を開催し、2021年春パリのヨーロッパ写真美術館で開催予定の「Love Songs」にも作品を出品予定である。現在「命の芯こそ、美しい」と、自身の子宮頸がん手術の経験から、がんと闘う女性のポートレートを撮影する「SHINING WOMAN PROJECT(シャイニング・ウーマン・プロジェクト)」に取り組んでいる。

本書を印刷した京都の印刷会社 株式会社サンエムカラーの解説文に「闇との不倫。荒木経惟氏による帯文の言葉です。モノクロームの中から浮かび上がる母の赤裸々な姿。女として、母としての。モノクロの世界と対峙しつづける写真家、殿村任香の処女写真集。」「印刷としては、黒にこだわった魅せる一冊。モノクロの世界も奥深い。フィルムに焼き付いた漆黒の世界をどのように版に焼き付けるか。ここでもサンエムの印刷技術をごらん頂けます。」と綴っている。白と黒、そして赤の世界を堪能していただきたい一冊である。