井村一巴写真集

photobookloop.day137

井村一巴 (Kazha Imura、いむら・かずは)「wonderland」bushbeanstudio、2009年。

井村さんは大阪府生まれ、大阪在住の写真家である。1996年 写真を撮り始める。1997年からはコンビニのコピー機を使い制作したブック「paper」を刊行し、セルフポートレート写真や文章を発表し始める。2000年上野学園大学短期大学部音楽科フルート専攻卒業。2001年より2003年まで間、年1回一ヶ月間「週末写真館」を開催、毎週来場者のポートレイトを撮影し、夜を通してプリントして展示し、532枚のポートレイトを制作する。2002年 グループ展 寿限無 -cloning- (ART BY XEROX主催/小山登美夫ギャラリー、東京)に出展。2004年 初個展 井村一巴[セルフポートレイト]展 (ギャラリーときの忘れもの, 東京)を開催。2007年 井村一巴[セルフポートレイト]展 (ギャラリーときの忘れもの, 東京)の展示では、プリントした印画紙にピンで引掻いたピンスクラッチ作品100点を初めて発表するとともに、作品集「Imura Kazha Plays Imura Kazha」を刊行する。2010年 finally we are no one (calo bookshop and cafe, 大阪)。2014年 BoneFree (アルピーノ主催/ギャラリー多羅葉, 埼玉)。2015年 physical address (みうらじろうギャラリー, 東京) ・whereabouts (STORE FRONT, 東京)。2016年 now/here (Gallery キットハウス, 大阪)と個展を開催していく。その他グループ展やアートフェアーにも多く出展。最近では、2019年4月 駐日スペイン大使館で開催された KIMONO-JOYAに出展している。

本書はbushbeanstudio名義・ゼロックスコピーブックレット・A4・104ページに、ピンスクラッチ入りオリジナルプリント(キャビネサイズ)2点を封入し、限定88部で刊行された写真集である。本書を透明のジップの付いたビニールの中に発見するまで、随分と長い時間が過ぎてしまっていたが、当時どこかの本棚で見つけた時の、心の高鳴りや驚きを思い起こさせられた。写真集とはまれに時間も空間も一気に超えて、読む者の心を温めてくれるものだということを改めて思い知らされるのである。※写真集はあえて背面を表に撮影させていただきました。

下記サイトに2007年のギャラリーときの忘れものでの個展の様子と、美術ライター岡部さんによる解説が面白いです。