デニッセ・アリアナ・ペレス写真集

photobookloop.day160

Denisse Ariana Pérez「Agua」Guest Editions,London、2021年。

デニッセ・アリアナ・ペレスはカリブ海生まれ、現在はバルセロナを拠点に活動するコピーライター兼写真家である。彼女の最初の写真集となる本書は、厚み30mm 重さ1.4kgと大振りだが、前小口にわずかに手がかかるようにトレーシングペーパーが4箇所挟まれており、優れた造本技術とブックデデザインに関心する。そのいずれもにテキストが印刷されており、会話をするように配置された文字組が心地よく、ポエムのようであり啓示のようにも見えるが、これまでに経験した水と自身との関係性や、水への憧憬などが語られている。142点にものぼる作品のほぼすべてが水の中 ないしは水辺で撮影されており、選択されたモデルは様々な人種に及び性別は問われていない。水瓶や花束などを手に水に身をゆだねたモデル達は皆、水からの何かしらのメッセージを伝えようとしているようにも見えるし、彼女自身が作り上げた完全で個人的な世界を表現しているようでもある。彼女の言うAguaの圧倒的な世界観におぼれてしまいそうになる、そんな一冊である。

以下彼女の文章を参照する。

“I keep coming back to water scenes. I keep coming back to lakes, rivers and oceans, I like to explore the interaction of people with water. Water can disarm even the most armed of facades. Becoming one with water is not about rushing but rather about flowing. And flowing is the closest thing to being.”

206x275x30 mm、176頁、142イメージ、上製本。カバーデザインはBlue WaterとPinc Waterの2種類があり、収益の10%がフェイスアフリカに寄付され、アフリカコミュニティーにおける水と衛生プログラムの改善に生かされるということである。