片岡俊写真集

photobookloop.day169

片岡俊 Shun Kataoka「自然を再考する / Rethinking Nature」自費出版、2021年。

片岡さんは 1984年 京都府生まれの写真家である。主な個展に「Touch」(id Gallery、京都、2010年)、「吸水」(galleryMain、京都、2016年)、「Parallel Leaves」(YAK Kyoto、京都、2018年)、「Life Works」(大阪・東京ニコンサロン、2019年)があり、2014年 KAWABA NEW-NATURE PHOTO AWARD 2014 グランプリ、2018年 東川国際写真フェスティバル 赤レンガ・公開ポートフォリオオーディション 準グランプリ、2020年 THE BACKYARD Pitch Grant 2020 ファイナリストなどの受賞歴がある。

片岡氏のWEBサイトを見ると整然と並ぶ作品群とともに、丁寧な言葉で綴られたブログがあって、読み進める内によどみなく続く文章の沼にはまり込んでしまうのである。

祖父が気に入って手を入れていた庭の様子を撮りためた「Life Works」。群馬県の山あいにある田舎町で過ごした数日間を捉えた「給水」。「Parallel Leaves」「流れ」「窓の動物」「川の中」「近所の森」など、これまでに制作されたシリーズを列挙した本書は、作家のこれまでの活動を知るうえで都合のいいカタログのようでもあるが、カテゴリーに沿った言葉と写真の収集日記のようでもある。作家の考える「自然」に対する「再考」は、きっと終わることのないテーマとしてこれからも続けられていくのだろう。KYOTOGRAPHIE 2021 POP-UP BOOKSTOREのThe Backyardのブースで、偶然この冊子を手に取ることになったのだが、念のこもった写真というのはいずれにしろ、その正体が何なのかはわからないが、思わず手が伸びてしまうだけの食い込んでくる力のようなものがあるのである。
自然を再考する、B5縦型、36頁、50部、1000円