鷹巣由佳写真集

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鷹巣由佳 Yuka Takasu「mille-pèlerille(ミルペリイユ)」自費出版、2019年。

鷹巣さんは愛知県生まれ在住のグラフィックデザイナー兼写真家である。2012年デザイン事務所「211design-meme-(ミーム)」を設立。第55回富士フイルムフォトコンテストフォトブック部門審査員特別賞受賞。「写真にまつわるエトセトラ」講師。studio meme、Galerie memeを併設する「納屋橋ラボ」主宰。グループ展に「写真にまつわるエトセトラ展1・2/2015-16/名古屋テレビ塔・セントラルパークギャラリー(愛知)などがある。フィンランド・スウェーデン・デンマーク・エストニア・フランス・オランダ・ドイツ・チェコなどをまわり旅と日常の境界線や言葉にできない何かを様々な視点で表現を試みる写真と光の「現実と想像のあいだ」プロジェクトを展開。(大ナゴヤ大学 ホームページより参照、一部編集しています。)

本書は2019年 Artistas argentinos en NY Art Book Fair出展(MoMA PS1、アメリカ・ニューヨーク)に際して刊行された手製本による写真集である。ゴムバンドで纏められたボール生地の表紙にはシート文字がランダムに施されており、オリジナリティーあふれる仕上がりになっている。ジャバラ折りの見開きの中に一回り小さなブックレットがホッチキスで留めてあって、数枚めくるとまた違うブックレットがやってくる。それゆえにカレンダーの様でもあり短編小説のような味わいがある。

KYOTOGRAPHIE Satellite Event 46「センテント/connect the dots」(KG+SQUARE by Chushin room 2F-4)の展示が記憶に新しいが、世界最古のシャンパーニュメゾン・ルイナールとKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2021との新たな取組みとして創設された 第1回「Ruinart Japan Award※」を受賞し、フランスでのアート・レジデンシー・プログラム(滞在製作)の後に、来春に開催される第10回KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022において、ルイナールの展示会場にて展示を行うことが決定している。今一番旬な作家のひとりである。

※Ruinart Japan Award
Ruinart JapanとKyotographie2021が開催するインターナショナル・ポートフォリオ・レビューに作品を提出した参加アーティストの中から選ばれる。

鷹巣 由佳:mille-pèlerille、221㎜×157㎜、手製本、2019年、ジャバラ変形オリジナルポストカード付き。