常盤とよ子写真集

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常盤とよ子 Toyoko Tokiwa「危険な毒花」三笠書房、1957年。

最近何かと注目されている常盤とよ子だが、この本は写真家として生きる自身の生き生きとした毎日がエッセイとして書かれている。「スカートをはいたカメラマン」「白衣をまとつたカメラマン」などカメラマンとしてファインダーを通して見た主に同性の女性達の日常を鮮明に写し取っている。再販はされていないのか流通している大概の本はめくるのも気を使うほどボロボロだけれど、戦後の日本でたくましく生きる「働く女性」の姿を令和の今にしっかりと伝えている。

山谷佑介写真集

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山谷佑介 Yusuke Yamatani「Doors」Gallery Yamatani、2020年。

近頃クラウドファンディングでプロジェクトを進めていくという流れが写真集の業界にも進出しているが、写真家とコレクターとの距離感がクラウドファンディングととても相性がいいのではないかと思っている。また少量のプリントをBOOTHやBATHなどのマーケットで販売する動きが出て来ているのも納得がいく。

さて山谷裕介から届いた30mmもある写真集であるがある意味ヨーロッパツアーの報告書でもあり、長い間待ってました感覚も伴って愛おしいの一言である。淡いトーンのプリントの肌触りが心地良くて、いつでも手に取れるところに置いておきたい一冊である。

ロバート・フランク写真集

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Robert Frank(ロバート・フランク)「The Line of My Hand」Pantheon Books.New York、1989年。

1972年に写真家のラルフ・ギブソンが立ち上げたLustrum Pressより出版されたものがオリジナルである。この本もすでに30年という時代を過ごしたことでいい具合に古ぼけている。photobookloopという取り組みを始めた理由は、何でもそうなのだろうが写真集も今はたまたまここにあるだけで、この先何かの理由でまた違う場所に運ばれて見知らぬ誰かの目に触れることになるのだろうといつも思っていて、どんなことでもいいので本との関係性を文字や画像にしておこうと思ったのがきっかけです。

林志鹏写真集

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aka No.223 林志鹏 Lin Zhipeng「Hidden Track」Editions Bessard(法国)、2016年。

林は中国広東省出身の写真家で現在は世界各地で展示を開催している売れっ子である。ちなみに法国とはフランスのこと、No.223は映画「恋する惑星」から取ったあだ名のようなものである。厚手のコデックス装丁は2012年に台湾の出版社Revolution-Starから出ている「No223(赤いカバーが初版)」とよく似ているので林自身の好みが強く反映されているのかもしれない。いくつかの自費出版の写真集も出しているがセレクションと印刷の精度ともベストであると言える。林の色彩感覚を上手く捉えた写真集である。

クロダミサト写真集

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クロダミサト「沙和子」Libro Arte.Inc、2011年。

A5サイズ32ページ、ピクチャースタンドほどの小さな本だが、手に取ってじっと見ていると今朝ポストに届いたばかりのカードのようにも見える。そこには写真家クロダミサトとモデル沙和子との熱気を帯びた時間が克明に記されていて、ページをめくる度に両者の濃密な時間が追体験出来るようで唾を飲む。