咖小西写真集

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咖小西 Ka Xiaoxi「Never Say Goodbye To Planet Booze 酒精星球永不別」 Ka Xiaoxi Studio、2015年。

咖小西は中国・上海をベースに活動する写真家である。バーやナイトクラブに出入りする若者達を捉えたスナップや、アーティストやミュージシャンなどのポートレートで構成されていてディープさとライトな感覚が入り混じる。そしてその間に入り込んでくる淡い風景写真が効いている。2013年から2015年あたりの中国カルチャーを色濃く写していると言うが、現在の中国はもっと違うディープさの中にあるのかも知れない。Boozeとは大酒を飲むという意味らしい。

石毛優花写真集

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石毛優花 Yuka Ishige「Mix Bits」私家版 蒼穹舎取扱、2020年。

一見すると何の変哲もない都市の風景とそこに生活する人々の日常を映すが、そのいずれにも映り込む作家自身の見つめている視線、それはまた痛すぎるほど見つめられている視線と交錯する。常にある緊張状態の連続と不意に解き放たれたような虚無の時間の中をくぐり抜けながら、気の向くままに捉えたショットをbit=細片と訳す。今は何も形にしたくない、何も言いたくない。A5サイズにしておきたかった作家自身の心の内がよく現れているように思える。作品のお問い合わせは蒼穹舎まで。
sokyusha@yahoo.co.jp

木村伊兵衛写真集

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木村伊兵衛 Ihei Kimura ニコンサロンブックス-4「木村伊兵衛 秋田」ニッコールクラブ、1978年。

秋田弁で娘の意味である「おばこ」とタイトルが付けられた表紙の写真は秋田美人という言葉と相まって長らく固定されたイメージとなる。50代になった氏が通いながら撮り続けた秋田の原風景と日々の日常の中に見せる人々の様々な表情が愛おしい。この写真集が出来たのは氏が亡くなってから4年ほどが経った頃、巻末には当時ニッコールクラブの会長であった三木淳さんの対談で制作までの経緯が語られる。また氏に縁のある方々の一言語りなどが掲載されていて、深い哀悼の念が伝わって来て味わい深い。

マーク・ボスウィック写真集

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Mark Borthwick(マーク・ボスウィック)「Synthetic Voices」シナジー幾何学、1996年。

マーク・ボスウィックはロンドン生まれ。発表当時は35歳、ファッションフォトグラファーとしてニューヨークで活動する。音楽家、映像作家、詩人と多彩な肩書きは写真の枠にとらわれない表現のベースにあるのだろう。フラットでライトな写真とそれに添えられる言語や手書きの文字が全てバランスよく配されていて読んでいて気持ちがいい。自然に楽になれるそんな写真集である。

任航写真集

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任航 Ren Hang「身体的邊界 PHYSICAL BORDERLINE 」三影堂+3画廊Three Shadows+3Gallery、2014年。

三影堂撮影芸術中心(Three Shadows Photography Art Centre)で開催された個展に合わせて制作された写真集である。レンハンは2017年2月24日に亡くなるまで中国の写真世界を牽引し続けた。彼の業績は国籍や肌の色そして世代を超えても、自らの表現する写真作品で世界の多くの人に共通の感覚がある事を知らしめた事にあるが、また彼とともに作品作りをして来た多くのモデル達を世界に連れて来たことも大きい。そして彼の後を追って写真家やモデルになる人も数多くいる。亡くなるまでに多くの作品を世に送り出して来たが、中でもこの写真集は持ち歩けるほど小さいながらほぼベストなセレクションになっている。