梅佳代写真集

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梅佳代 Kayo Ume「ウメップ/Umep」リトルモア、2010年。

梅さんは石川県鳳珠郡能登町出身の写真家である。高校時代からコンパクトカメラや使い捨てカメラで写真を撮り始める。東京は危ない!という理由で、大阪市東住吉区にある日本写真映像専門学校写真学科に入学。学生時代は寮生活で、都築響一氏の「賃貸宇宙」の取材を受けたこともある。また在学中の2000年に、おバカなのに憎めない小学生の日常ライフを捉えた「男子」で、2001年に、近所で親しくなった女子中学生を寮の自室に招き撮った「女子中学生」で、どちらもキヤノン写真新世紀佳作を受賞する。2002年同校卒業、満を持して上京しフリーランスの写真家となる。2003年個展「うめかよ」(site.東京)、「はっとした瞬間」(スパイラルガーデン、東京)。2004年グループ展「UME TUM」(ROOM、パリ)、個展「うれしい連続」(アウラクロス、大阪)を開催。2006年ファースト写真集「うめめ」(リトルモア)を刊行。キャッチコピーは「見たら最後!!最強ご近所写真!」で、十数万部を超えるベストセラーとなる。同年出版社リトルモアの地下で「シャッターチャンス祭り/梅佳代写真展」を開催。同年ロンドンやタイでも展示を行う。2007年「うめめ」で第32回木村伊兵衛写真賞を受賞。同年「男子」(リトルモア)を発表。「男子」 (エプサイト‐東京、 HEP HALL‐大阪、 リトルモア地下‐東京、 パルコギャラリー‐名古屋)、「うめめ ここは石川県の部屋 梅佳代写真展」(金沢21世紀美術館)を開催。2008年祖父を10年間に渡り撮り続けた「じいちゃんさま」(リトルモア)を発表。「じいちゃんさま」( リトルモア地下‐東京、パルコギャラリー‐名古屋)を開催。2010年「ウメップ」を発表。「ウメップ:シャッターチャンス祭り」(表参道ヒルズ スペースオー‐東京、HEP HALL‐大阪)を開催。2013年「梅佳代展‐UMEKAYO」 (東京オペラシティアートギャラリー、東京)。2014年「梅佳代展‐UMEKAYO」( 新潟県立万代島美術館‐新潟)開催。2017年故郷能登に暮らす1匹の犬「リョウ」の17 年間を追った「白い犬」(新潮社)、全寮制の中高一貫男子校に通う10代の少年たちの日常を切り取った写真集「ナスカイ」(亜紀書房)を発表する。その他の写真集に「のと」(新潮社)、共著「うめ版 新明解国語辞典×梅佳代」(三省堂)などがある。その他国内外の個展、グループ展に作品を発表している他、私立恵比寿中学「修学旅行」やタレントのポートレイトも多数手がける。また2007年1月「情熱大陸」(MBS)、2008年6月「トップランナー」(NHK)で特集が組まれる他、2010年9月「スタジオパーク」(NHK)や、同年10月「徹子の部屋」にも出演するなど多彩である。

本書は2010年リトルモアより刊行され、同年8月には梅佳代写真展「ウメップ」シャッターチャンス祭りinうめかよひるずとして、表参道ヒルズスペースオーで開催された。近作スナップ写真約1,500点を中心に、大判写真やドローイング、映像など200点を紹介。会場では約2週間の展示期間中に撮影した写真も追加展示していた。「ウメップ」とは、うめかよ+ スナップの造語である。当時の展示は今でもよく覚えているが、何にでもなれるような若さが印象的だった。結婚して一児の母となったこれからの写真もたくさん見ていきたい。