尾黒久美写真集

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尾黒久美 Kumi Oguro「NOISE」Le Caillou Bleu(Brussels, Belgium)、 2008年。

尾黒さんは栃木県宇都宮市生まれ、ベルギー・アントワープ在住の写真家である。短大卒業後、社会人を経て、1995年に語学留学のため渡英する。ロンドンにあるアートとデザインの専門学校ブレイクカレッジ(Blake College)を経て、ウェストミンスター大学(City of Westminster College)の写真科を卒業、その後ベルギーのアントワープへ移住する。2003年アントワープ王立芸術アカデミー(Koninklijke Academie voor Schone Kunsten van Antwerpen)写真科を卒業する。2008年、FIRST-CLASS HYSTERIC (SOLEDAD SENLLE ART GALLERY,Amsterdam)での個展をはじめ、ベルギー、オランダ、デンマークなどヨーロッパ各国で個展やグループ展を開催している。2008年ファースト作品集「noise」をベルギーの出版社Le caillou bleuより刊行。2010年5月には同名の個展を、NADAR/SHIBUYA355(渋谷)とSANAGI FINE ARTS(茅場町)で同時開催し、10月にはNADAR/OSAKAにも巡回している。2012年にはリコーイメージングスクエア銀座・RING CUBEにてグループ展「OVERSEAS 2012 -世界を選んだ写真家たち」に選出され、展示を行う。最近では2019年7月ARTDYNE 開廊記念として「尾黒久美・髙木優希2人展」を開催している。

本書は2008年、SOLEDAD SENLLE ART GALLERYで開催された個展をベースに製作されている。セットアップされた女性のモデルの多くは、体の一部、もしくはほとんどがフレームアウトしているか、何かの最中の様なポージングのまま止まっている。制作の過程について話したインタビューの中で、断片のようなものを書き溜めておいて、自分の中で機が熟してくると、モデルに声をかけ、一回2時間程度の撮影の中で、モデルと対話し相互に刺激を受けながら、作品を作り込んでいくと語っている。B5変形サイズの非常にキュートな写真集である。