森栄喜写真集

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森栄喜 Eiki Mori「tokyo boy alone」(Revolution-Star Publishing,Taiwan、2011年)「intimacy」(ナナロク社、2013年)「Family Regained」(ナナロク社、2017年)

森さんは1976年石川県生まれ東京都在住の写真家である。高校生の頃父親にもらったカメラで写真を撮り始める。2001年米国パーソンズ美術大学(Parsons School of Design)写真学科卒業。帰国後、男性ポートレイトを中心に撮影をはじめる。2009年小説家 小林小路氏とのコラボレーションブック「Crows and Pearls」(edition.nord)を刊行。2011年6月ファースト写真集「tokyo boy alone」を台湾のアートディレクター アーロン・ニエ (Aaron Nieh)プロデュースの「永真急制(INSIDE-OUT)」シリーズ第一弾として台湾の出版社Revolution-Star Publishingより刊行、1万部以上の発行数を記録する。同年、好丘 mezamashikohi urban、Wombbloc Artsなど台湾3都市で個展を開催、台湾を中心に全世界で話題となる。同年フォトジン「OSSU」を刊行し始める。2012年個展「tokyo boy alone / intimacy」 (モナシュ大学プラートセンター(Monash University Prato Centre, Italy)を開催。2013年「Wedding Politics」を始める。同年写真集「intimacy」(ナナロク社)を刊行。同書で第39回木村伊兵衛写真賞受賞。2014年 受賞作品展「intimacy」をコニカミノルタプラザ・ギャラリーC(東京)、Kapo Gallery(金沢)で開催。その後も2014年にかけて禪フォトギャラリー(東京)、chef d'oeuvre(大阪)、IMA Books Gallery(東京)で同名の個展を開催する。2017年 「Family Regained」(Ken Nakahashi、新宿)「Family Regained: The Splash ―We brush our teeth, take a shower, put on pajamas and go out into the street」 NADiff Gallery(東京)、「Family Regained: The Picnic」 フェスティバル/トーキョー(東京)と立て続けに個展を開催、同名の写真集を同年12月にナナロク社より刊行する。2018年11月個展「Letter to My Son」(Ken Nakahashi、新宿)を開催。同じ頃グループ展「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家 vol.15」(東京都写真美術館)に出展する。2020年フォトエッセイ「Letter to My Son」をクラウドファンディングを通じてKen Nakahashiより刊行。同年サウンドインスタレーションを取り入れた「シボレス」シリーズを Ken Nakahashiに発表する。また雑誌「ViVi」に「tokyo boy cam」を連載する他朗読会など、多方面で活躍している。

「tokyo boy alone」
東京のワンルームに暮らす青年たちの元に足を運び、彼らの生活空間の中で撮影された写真には、様々な感情が内包されており、独特の肉体や精神のゆらぎや、孤独・空虚感などが写り込んでいて非常に美しい。

「intimacy」
2012年夏までの1年間、出会って間もなくの恋人や友人などをスナップショットで捉えた日記的な記録写真で綴る「264ページ分の写真で一点の作品」であり「彼との関係性や距離感の変化の記録」を時系列で捉えている。最初に会った時の写真が表紙を飾る。

「Family Regained」
「さまざまな40組の家族。彼らの生活空間に入り、彼らの部屋着をまとい、彼らの家族として自らも写り込む。また、生家では濃厚な家族の気配の中にひとり佇む作家の圧倒的な孤独。家族の喪失と創造の軌跡が、血のような真っ赤な世界(出版社ステートメントより)」