ウォン・カンタイ写真集

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黃 勤帶(Wong Kan-Tai / ウォン・カンタイ)「1980 新疆」Mahjong,Hong Kong、2020年。

ウォン・カンタイは1957年 香港ランタオ島(Lantau, Hong Kong)生まれ、香港をベースに活躍するジャーナリストであり、報道写真家である。1977年 中国の新聞社 文匯報(Wen Wei Po)の記者となり活躍する。1980年 新聞社をやめ、中華人民共和国新疆ウイグル自治区の街、ウルムチ、トルファン、カシュガルを旅する。1986年 東京工芸大学(Tokyo Institute of Polytechnics)卒業、写真学の学位を取得。香港に戻り新聞社に復帰し、1989年天安門広場での学生運動に立ち会う。1990年「’89 Tiananmen」(Mahjong、Hong Kong)を刊行。2011年に再販された。1990年 新聞社をやめフリーランスとなる。1991年チベットに入る。1999年から2005年までロンドンに滞在する。2011年 東日本大震災後の福島に入り写真を撮っている。写真同人雑誌「麻雀」メンバー。出版物に「Tiananmen '89」(Mahjong、1990年)「Land Reclaim from the Sea」(1997年)「Beijing Story」(1999年)「Millennium Faces:Chinese Older People in the United Kingdom、Collection of Black&White Photographs」(2002年)「Hong Kong Walled City、2002-2007」(2007年)「'89 廣場的日子」2011年。「Vajrayana」(Inertia Books)「TheQueen's」などがある。

本書は1980年 作家が23歳の時に初めて訪れた、中華人民共和国新疆ウイグル自治区の街、ウルムチなどで捉えた40年前の記録である。いくつかの写真は赤く変色しており、原色をとどめていないが、それがやはり何かを言いたげなのか、ただ単にフィルムが変色してしまっただけなのかはわからない。川で遊び、市に集い、砂漠を旅し、ムスクで礼拝する現地の人々の生活や表情が、長い年月を経て、今この時代に語りかけている。