周生写真集

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周生 (周兆豐、Chow san)「旅行」自費出版、2017年。

周生さんは1982年香港生まれ、香港在住の写真家である。グラフィックデザイナーの仕事のしながら、2010年頃より写真を撮り始める。2013年 香港国際写真祭(Dozens of photography works - 100FT.PARK's Special)に参加。翌年にはThe 2nd Hong Kong Photo Book Awardsの最終候補に選ばれる。2015年最初の個展「花期」を香港 ACO Bookにて開催。2017年ファースト写真集「旅行」を刊行し、Café+ kubrickで個展を開催、2018年 写真集「日系相片」(自費出版)を刊行。翌2019年には自身の手術入院の記録を写真集「醫學研究報告2019」(自費出版)にまとめる。2020年にはマーク・ピアソンが手がけるDying Cityシリーズから「花期」を刊行している。最新写真集に「No Teacher But I Can Take Photos」(禅フォトギャラリー、2020年)がある。(Zen Foto Gallery 作家紹介より、一部再構成)

本書は香港の都市部で見かける旅行者や、またはそこで生活する人々を、作家独自の目線で切り取った写真集である。ステートメントに「旅行で他の国で撮影するより、自分の生まれ育った街(香港)で人々の日常を撮影したほうが面白い。これらの写真は、この街の日常の記録である。(shashasha訳)」と述べている。一見奇異な行動をする人々をユーモアたっぷりに捉えているようであるが、現在の日常がこの先どう変化して、自身も旅行者のようなものであると捉えるなら、それはもうユーモアを通り越してもっとシニカルな視線を感じずにはいられない。