井上雄輔写真集

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井上雄輔 Yusuke Inoue「Containers in Tokyo」Case Publishing、2018年。

井上さんは1980年神奈川県生まれ、神奈川県在住の写真家である。東京綜合写真専門学校写真芸術第二学科に進学。在学中に深川伶華さんとともに製作した「Kaleidscape」で、2016年JPS(日本写真家協会)展ヤングアイ奨励賞を受賞。2017年卒業後、金村修ワークショップを受講。個展に2017年「Brick Express」(Gallery The White、東京)、2018年 「Containers in Tokyo」(CASE Tokyo、東京 )、2019年 「NO PARKING」( IG Photo Gallery、東京 )、2020年 「CONTAINERS」( IG Photo Gallery、東京 )( gallery 176、大阪 )があり、グループ展に2017年「Mirage ONE 2017」(Mirage Gallery、神戸 )、「RAIEC TOKYO 2018」(72 Gallery、東京)、2018年 「IN PRINT, OUT OF PRINT」(The Reference、ソウル)、2019年「Experience in Material Film collection 2」( 横浜美術館 レクチャーホール、神奈川)、2020年実験映画上映会「material zone=物質地帯」( 横浜美術館 レクチャーホール – 神奈川)、「material zone=物質地帯2」(Alt_Medium、東京)がある。写真集に 2018年「Containers in Tokyo」「Containers in Tokyo – Special Edition」( Case Publishing)があるほか、私家版の出版物に2019年 「写真相対論– Relativity of photograph」「Air Pocket」、2020年「知覚のエアポケット」がある。

本書は作家のファースト写真集である。東京および近郊のとあるポイントに立ち、望遠レンズと高速シャッターで撮影された、牽引され走行するトレーラーのコンテナの部分だけを切り取り、同じ位置関係に沿うようにまとめられた写真集である。本書収録の写真評論家タカザワケンジさんの解説には「井上の写真はいわば瞬間のタイポロジーとでも呼ぶべきもので、カメラの発達と写真の社会的なニーズの変化がインスピレーションを与えていることは間違いない。あたかも静止しているように撮影した写真は非現実的に見えるという効果で私たちの眼を釘付けにする。」とある。写真集をパラパラとめくって楽しむのもいいが、大きなプリントで見るとまったく違うように見えるから面白い。額装家としても経験も豊富で、ぜひとも「Containers in Tokyo – Special Edition」を選んでいただけると写真と額装どちらも楽しめます。※尚、写真集にはプリントは含まれません。