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中之島を越えると御堂筋は南へ真っ直ぐに難波まで向かっている。言わずと知れた大阪を代表するメインストリートであるが、その両側の歩道には実にたくさんの彫刻が置かれていることに気づいただろうか?よく通る人でも知らない人が多いが、高村光太郎、ロダン、ルノワール、ブールデル、実は高名な彫刻家たちの作品を見ることが出来るのだ。

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御堂筋の西側、中之島を越えて淡路町まで歩いてくると、パソナグループ大阪本社ビル前にオシップ ザッキン作「女のトルソ」という彫刻がある。

力強く簡潔な線とボリューム感。この「女のトルソ」は、平面の集まりとして再構築されたキュビズムの特徴を示しつつも、厳格なフォルムから解放された自由な表現がみられる。抽象と人間の内面表現を融合させたザッキンの特色が現れた、彼の最盛期の作品である。”(大阪市市制 御堂筋彫刻ストリート 「女のトルソ」の講評より)

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さらに御堂筋を下り本町通りが見えてくると、竹中工務店本社前にはオシップ ザッキン作「アコーディオン弾き」という彫刻がある。

オシップ ザッキンは、ロシア出身で主にフランスで活躍したキュビズムの彫刻家であり、アフリカなどの土着美術に影響を受けた。この作品は、1924年に制作された同名の彫刻を1962年にリメイクしたものであり、自己の造形を生み出そうとして模索していた時期の前作に対し、穏やかで物静かな雰囲気を漂わせている。(大阪市市制 御堂筋彫刻ストリート 「アコーディオン弾き」の講評より)

日本の作家とも交流が深かったザッキンは多くの作品を日本に残している。関西では兵庫県立美術館に大型の彫刻「住み処」をみることが出来る。代表作に「破棄された都市」があり、彫刻の他にも版画の作品が多いことが知られる。

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オシップ ザッキンのリトグラフ「TANZ」

さて、画廊など行ったことのない僕が初めて入った画廊で2時間あまり。ふらっと入ったにしては長い時間にわたり話し込んでしまった(ほとんどは主人の昔話であったが)。ピカソや池田満寿夫などの有名画家の絵画が掛けられた壁の隅に無造作に何枚も重ねて立て掛けられていた一枚に心惹かれて、翌日また訪ねて行って購入した、リトグラフこそがザッキンだったのだ。作家の名前も作品も分からずに購入したのだが、調べて行くとやはり面白い。「TANZ」とはダンスという意味。ザッキンのリトグラフの中でもかなりいい作品だと僕は思っている。
というわけでザッキンが我が家にやってきたのである。

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