David Shama写真集

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David Shama「Do Not Feed Alligators」Damiani ,Italy、2018年。

David Shamaは 1977年スイス生まれ、現在はニューヨークで活動する写真家である。2012年頃より2017年にかけてアメリカ国内をロードトリップしながら、行く先々で出会う風景や人々を記録していく。モデルとなる女性たちと落ち合い数日間を過ごしながら写真を撮るような日々を過ごす。そんな中、2013年にはテキサス州ヒューストンで将来の妻となるAnastasiia Chorna(1991年ウクライナ生、ドキュメンタリー写真家)に出会うこととなる。見開きの2枚のイメージが大小、縦横、モノカラーなど一定ではないが、2枚が呼応しており不思議なリズムを呼んでいる。プリントも写真集のままに見開きで販売しているようなのでそれなりの思い入れがあるのだろう。見返すたびに違う感情を引き起こし表現に困るが、何かしら見る者の琴線に触れるようなところがあり感慨深い一冊である。A4サイズ、136頁、上製本。

表面張力写真集

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曾義欽 蔡佳桓 陳尚平 李威辰「表面張力」自費出版、2021年。Marbury Tzeng・AJ Tsai・Shang Chen・Wei-Chen Li「Tension/Surface」

本書は台湾のストリートフォトグラファーとして活躍する 曾義欽、蔡佳桓、陳尚平、李威辰の4人による共同出版として刊行された。非常に近いエッセンスを持ち合わせているが、年齢も活動場所も様々で実に4者4様の際立った世界観を示している。日々の生活空間の中にある日常的な風景の中から、直感的で即興的にストリートスナッップされたいくつかの写真には、強烈なフラッシュとともに、我々が知っている台湾の風景の隠された側面を浮かび上がらせている。本書は台湾を含め世界の現代写真の今を知る手掛かりとなり、ストリートスナップのエッセンスを非常に吸収した一冊として、広くたくさんの人たちに読んで欲しいお勧めの一冊である。184 × 260 mm、152頁、並製本、

水原希子写真集

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水原希子 茂木モニカ「夢の続き」PALCO出版、2021年。Kiko Mizuhara , Monika Mogi「Dream Blue」

2021年4月、ファッションモデルで女優の水原希子を写真家の茂木モニカが撮影した写真集が発売され、同名の写真展がPARCO MUSEUM TOKYOで開催された。2017年頃にカリフォルニアの大自然を舞台に、水原希子、茂木モニカ、そしてデザイナーのクリスティンの3人で、無計画なままロードトリップした際に撮影されたものである。何の前置きもなく、頭を空っぽにしてまずは見て欲しい一冊である。A4判、上製本、160頁、3,300円+税

大西正写真集

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大西正 Tadashi Onishi「YEARS」私家版、2021年。

大西さんは1973年、東京生まれの写真家である。写真集団 Void Tokyoのメンバーであり、普段はサラリーマンとして働いている。これまでに東京を中心に個展・グループ展を多数開催、精力的に作品を発表している。

本書は「YEARS Project」として「過去10年ほどの記録の中から各月に撮った写真で構成した写真集を一年間、毎月発行」する取り組みで、年間購読をすれば月末毎に1冊の写真集が送られて来る。もっぱら写真集のサブスクリプションのようである。「大西正という東京の定点カメラがのぞいた街の光景」と呼ぶモノクロにしたてられた在りし日の東京のストリートスナップは、立ち切りの画面いっぱいに埋め尽くされている。月毎にテーマがあったり月の特徴を捉えた編集がされておりなお面白い。コロナ禍の現在から見返したコロナ以前の東京の風景、自身ももうそこにいないという前提で制作されたと思いながら見ると興味深いものになる。私家版、A4、62ページ、イメージ61点、¥2000円(税込、送料別)年間購読(12冊)¥2万2800円(税込、送料込)

黃俊團写真集

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黃俊團(Huang Jun Tuan)「After All」moom editions、2021年。

黃俊團は台湾をベースに活躍するアーティストである。これまでに「SHOU」Huang Jun Tuan Photography Studio(2017年)、「One Shot 黃俊團的一瞬千擊 」Angel Beat(2011年)を刊行しているが、3作目の出版物となる本作は、台湾の書店であるmoom bookshopが手掛ける最初の写真集として刊行された。柔らかな手触りのハイミロン貼りの表紙の中央にはモノクロプリントがマウントされており、金文字の箔押し、フランス装の上製本と贅を尽くしている。全編モノクロで断ち切りのイメージが続くが、小口から見返しにかけての朱色が効いている。「After All」とは「結局」とか「やはり」「とにかく」という意味となるが、その後に続く言葉がこの写真集の本来の主役であるのだろう。作家のことは細かくはわからないが、作家の経歴においての確かな記録であり、記憶の集積ともいえる写真集と言えるだろう。192mm × 256mm、63点、120頁、限定500部となる。

https://moom.cat/tw/item/after-all